行き先不明人の時刻表2

何も考えずに、でも何かを求めて、鉄道の旅を続けています。今夜もmoonligh-expressが発車の時間を迎えます。

世界最大級の入口である群馬県上野村を目指せ!(神流川発電所訪問記①)

2024年08月09日 | 土木構造物・土木遺産


さて、いよいよ群馬に向かうことにする。ベースキャンプにしたのは群馬県南西部の富岡市。いわずと知れた世界遺産の町である。
新潟の自宅からだと高速で300キロ、4時間といったところだが、途中寄り道などをして初日の走行距離は700キロ近く。これは予想していたことでもあり、最初から車中泊は諦めてホテル宿泊することにしてトレーラーハウス型の宿を予約した。(禁煙だったこと以外は、かなり快適に過ごせた!)
ただ、目的地はさらに山道を小1時間ほど走った先にある群馬県多野郡上野村。ここへのアクセスは実に難関だ。藤岡方向から神流川(かんながわ)沿いに国道462号で向かうつもりでいたが、下仁田・南牧経由がいいだろうと観光案内所のアドバイスから、富岡で前泊した後出発。南牧から上野村へもかなりの山道(県道)だが、湯の沢トンネル(2004年開通)により飛躍的に便利になったようだ。



この上野村、人口が1,028人(上野村ホームページ、8月1日現在)。群馬県では最も人口が少ない自治体であり、関東でも島しょ部を除くと最も少ない。人口密度も県内で最下位、居住可能面積も最も低い。過疎地で、山の中のへき地といえる場所であるが、かの平成の大合併でも「合併しない宣言」をした村である。
産業は林業と観光。「上野スカイブリッジ(写真上)」という巨大なつり橋と不二洞なる関東随一の鍾乳洞が観光のメイン。お気づきの方もいらっしゃるかもしれないが、航空史上最大の事故といわれている日航ジャンボ機が墜落した「御巣鷹の尾根」のある村というと、あーっという方もいるかもしれない。
今年も8月12日が近づいて、多くの遺族・関係者が慰霊登山の時期を迎えている。とにかく山深い地で、事故当時は村へのアクセスや林道の整備もされていなかったため、墜落現場の特定が難しく、救助作業も地元消防団が頼りだったことも容易に想像できる。(村に到着して、まず「慰霊の園(写真上)」で手を合わせさせてもらった。)



この山の中にあり各ランキングで最下位ばかりの村、実は財政的には群馬県内の市町村で3番目と高い位置にある(財政力指数0.85、隣の南牧村や神流町は0.1ポイント台)。というのも、上野村には、東京電力リニューアブルパワー「神流川発電所」がある。この発電所が世界最大級の揚水発電所だというのだ。(発電所1号機が運転開始したのが2005年、それまで財政力指数は0.2、完成後2008年には1.73に急上昇、当然不交付団体となる。)
村では、東京電力と協力し、この発電所の見学会を実施しているという。数日前の問い合わせ・応募であったが、直近開催日に空きがあるということでその場で申し込みをして、そして上野村に足を踏み入れ集合場所の「川の駅・上野」にある「上野村森の体験館(上野村産業情報センター、写真上)」に向かったのである。
村の用意したマイクロバスに乗り換えたのは10人ほどの団体客に、一匹狼の自分だけ。バスは、急登とカーブ続きの道をゆっくりと御巣鷹の尾根方向に進む。ただ道幅は確保されているし、長大トンネルも通過。発電所建設のため整備された道なのか?そして、山中のゲート前に東京電力の社員がバスを出迎えると、いよいよ地下500メートルへの世界最大級の発電所に潜入することになる。(続く)






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