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広瀬川上流にもありました、魅力的な土木遺産

2024年06月06日 | 土木構造物・土木遺産
まだ仙台から離れられない?といっても、何回か仙台に通って、見どころを見つけ出しては、その都度各地を訪ねているという現状にある。
前回は、仙台市街地にある広瀬川に架かる2橋を紹介、前々回は広瀬川の水を利用した水力発電所を紹介してきているが、今回は青葉区でも市街地からは10数キロ山間部に入った場所にある構造物を紹介する。



一つ目は、広瀬川に架かる鉄橋「広瀬川第二橋梁」だ。JR仙山線は、「仙山線鉄道施設群」として土木学会選奨土木遺産に選奨されているが、その主要施設としてこの橋梁も構成構造物になっている。
ご覧になってピンと来た人もいると思うが、日本でも数か所しかなくなった架台の上に橋桁の乗せた「トレッスル橋」である。そのほか、広瀬川に絡むように走る仙山線にも魅力的な場所は尽きないのだが、今回は時間の関係上この橋梁のみの紹介になる。
青葉区熊ヶ根という場所にあって、国道48号の熊ヶ根橋から全容を間近に見ることができるが、歩道と反対側、橋にはフェンス、深い谷に架かっていることから撮影ポイントが限られるため、同じアングルからの写真でごめんなさい。



熊ヶ根橋を天童方向に渡りきると右手に入る道路があるが、クルマで数分ほど進むと「青下水源地」がある。ここにあるのが「青下第一ダム」。なんと昭和9年(1934年)完成した玉石貼りの水道専用のダムだ。
戦前の物資の少ない時代に、仙台市民を潤すために作られた水源確保用のダムで、現在なお現役である。玉石貼りのダムというのも貴重だが、水がその玉石に沿って緩やかなカーブをを流れる姿は実に美しい。
ダムを含め仙台市営のこの場所は、水源地の公園として整備されており、旧管理事務所(写真上)や記念碑、隧道入口などは登録有形文化財。水源地として近代水道百選にも選定。立派な水道記念館も公園内に設置されていて、大事に保存公開されていることがわかる。



そして3か所目は、青下水源地から5分ほど上流(水源地とは別の河川)にある「大倉ダム」。ネーミングライツにより正式には「仙台環境開発大倉ダム」との名称で、旧建設省が昭和37年に建設完成、その後宮城県に移管された多目的ダムである。
実はこのダム、ダブルアーチ式ダムで、日本で唯一の構造。ダムサイトの中心にどでかい支柱(スラストブロック)を設置し、左右に同じようにアーチダムを配置している。(クレストゲートが配置された左岸側だけに見えるが、右岸側が写真では確認しづらいのが申し訳ない)
広瀬川を調べていると、面白い形のダムを見つけてぜひ紹介したいと思い現地を訪ねてみると、なんと選奨土木遺産に選定されたと管理事務所の入口の掲示を見てびっくり!昨年度の土木学会で選奨されていました。

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