はっきりした声

遅番の業務が終わってビグスクに跨ったのは２０時少し前だった。

ここんとこ日本上空に寒波が居座ってるとかで、やたら外は寒い。

最低気温も２℃前後。

そろそろダウンJをクローゼットから引っ張り出さねぇとって感じだ。

幹線道路から近道をぬける。

して、自宅近くの公園脇を通る。

ほぼ四角い公園の一角には信号があるが、近辺の住宅から漏れる団欒の光りだけで公園内は薄暗がりだった。

３０km/hも出してないと思ったが、、突然、、白に黒斑の猫が飛び出してきた!

ブレーキを掴んだ。

停止はせず、ゆっくりそのまま走行。

猫は急ブレーキの音とヘッドライトの光りにたじろいだ風になったが此方のスロ～スピード走行に安心したかトコトコ

歩いていっちゃった。

ふと、ガードレールの切れ間に人影が見えて横を向くと、

「ありがとう」とはっきりした声で叫ばれた。

２、３匹の猫に餌をやっている老婆がしゃがんでいた。