Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

第九でした

2010-12-09 03:52:46 | music
第九でした。

去る12月4日(土)渋谷交響楽団+合唱団の第九演奏会でした。
ワタシは「第九会員」として臨時のメンバーでセカンドバイオリン参加でした。

人生初第九演奏だったのですが、ベートーヴェンのなかでも難しい曲だろうなと思っていました。が、実際弾いてみると!想像以上に難しかったです。

まずなにより、早いパッセージが多く、特に第四楽章ですけど、指が回らない!左手と右手のタイミングが合わない!きっちり弾いてると追いつかない!うひー!とかいう惨状で。
結局最後までごまかしごまかし弾かざるを得ない箇所があり(特に四楽章終盤^^;ドッペルフーガの八分音符部分とか、コーダのところの超絶単純wアルペジオとか)

第二楽章もまた曲者で、1小節に四分音符3つを速いテンポで弓を飛ばし気味に弾き続けるわけだけど、3つなのでボウイングがやはり問題で。個人的にはずーっとダウンアップを交互に繰り返すほうが得意なんだけど、今回はフォルツァンドの箇所をダウンにして、ダウンアップアップダウンアップアップ・・・・・と繰り返す場面があり、どうもリズムも音色も狂いがちで苦労しました。弓飛ばさないならまだ何とかなるんだけれども~

1楽章と3楽章はそういうテクニック的な面ではそれほどの問題はないんだけれど、曲全体の抑揚や表情を考えてパーツの音を出すことがものすごく大事なようなつくりになっていて、1stバイオリンのクレッシェンドを受け取って大きめのところから出発してさらにクレッシェンドするとか、そういう技を積み重ねてようやく面白い演奏ができる。そういう気の配りかたについてはやはり最後までマスターしたとは言い切れない感じでしたな~。



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全体としては、前半団員のみんなが緊張気味だなあと感じました。ワタシもちょっと緊張してピアニッシモがぶるぶるしちゃったりしましたが。特に木管楽器の音にその緊張成分が含まれていることをひしひしと感じ、その緊張がまた自分の緊張をもたらすみたいな、緊張の連鎖があったかも。

後半にはだいぶほぐれた演奏になったと思いますけどね。

第四楽章は、開始前に合唱団の入場だったので、チューニングもしたりと、肩の力が抜けた感じでした。チェロバスのレチタティーヴォもあれだけの人数と距離感のなか、息のあった感じでよかったでした。(珍しくバイオリンが暇な箇所で楽しいのです)
合唱とソリストが入るので、気持ちとしてそれを支えようという感じになるのでワタシもリラックスしてのびのびと弾いたと思います。あんまり覚えてないんだけど。
真ん中の変なマーチwの前のvor Gott!のブレイクで客席から盛大に拍手が入ったのは思い切り想定外で、上げ弓で弾ききった体勢で固まりつつもオケのみんなは内心のけぞっていたと思います(笑)

マーチに続く複雑な転調をするオケのフーガは楽しみな箇所で、なぜならここは個人的猛練習をした結果ひととおり弾けるようになったからですわw。もともと第九のなかでも一番好きなところかも。

古風な低音族の朗誦のあとのドッペルフーガは最大の難所で、まあ(正直言ってまともに弾けませんでしたよw)。小節の頭のほうだけはなんとか食らいついて弾いたのです。

そして終盤Prestoからはもう勢いでいくしかないのですが、まあ、勢いでいきましたw。
そこはもう最後なので音楽全体を聴いて楽しもう!と決めていたので、合唱や管楽器の高揚を聴きつつ自分も猛烈なスケールなどをがむしゃらに弾いた結果、弾き終わりの3和音の時には、めずらしく感動のあまり涙が出そうになりましたよ。「演奏時不感症」なこのワタシが感動するなんて!(笑)

まあ、冷静に考えてみると、汗かくくらいに激しいことを弾かなきゃいけないんで、スピードもあるし、そういうなんというかスポーツ的爽快感というのかな、そんなものなのかなあとも思いますね。
やっぱり1楽章から全体通じて表現したいものが現前した!というような音楽的な感動つーんですか?そういうことで猛烈に感動したいものですなあ。
(ま、自分が演奏している限り困難なんでしょうけど・・・)



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会場は渋谷CCレモンホールだったのですが、考えたらあのステージに立ったのか~と今頃感慨に浸るわけです。
ステージで弾いた感じは、思ったよりバランスは悪くなく、リハ時には客席に抜ける音も感じられて弾きやすかったです。
自分が座った位置がほぼ中央木管の前だったからかもしれません。
1楽章などでは早いパッセージをフルートとユニゾンするところもあり、そういうとこではフルートとばっちりあわせてみたりと気持ちよい環境でした。
セカンドが病みつきになるかも??

セッティングとか当日のタイムテーブルとかトラの手配とか、裏では大変な苦労があろうと思いますが、そういうところを知らずにお客さん状態で弾かせていただいて、申し訳ない気もしましたねー
その分撤収作業はがんばらせていただきました~(といっても椅子と譜面台をかたっぱしから片付けただけですけども)

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打ち上げは普通の居酒屋で、人数が多い上に皆楽器持ってるんで、恐るべき人口+荷物密度のなか執り行われました(笑)まるでブリューゲルの版画でしたわ(笑)

キュウキュウに座ったテーブルでは練習中は交流のなかった方々とお話ができ楽しかったです。
アルコールは一切不可体質なため、会費の元を取るべくバリバリと人の分まで食べたのは内緒です。

このまま団員にという(控えめな)お誘いを幾度か受けましたが、どうも自分の技量はいまひとつついていけないようにも思え、かつ3月以降の仕事の状況とかが見えないので、今回は遠慮しておきました。
まあ次回演奏会はブルックナーということなので、これがブラームスだったらあっさり入団していたであろうことは想像に難くないのですが(笑)


というわけで、楽しい音楽の時間でした。
オケの皆様、大変お世話になりました。
この場を借りて厚く御礼申し上げます~





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