![]() | フランソワクープラン クラヴサン奏法このアイテムの詳細を見る |
F.クープランの魅力に目覚めつつあります。
特に「クラヴサン奏法」に載っている8曲のプレリュード。
どれも最初に弾くと、「?」な曲ばかり。
なのに弾きこんでいくと、次第に全体像が結ばれてきて、どれも表情豊かで奥の深い佳作ばかりなのがわかる。
主旨としては、
「本来プレリュードは即興的に演奏されるべきものだが、その天賦の才のない場合にはこうした楽譜をみて弾くのがよい。従っていちおう譜割はしてあるけれども、テンポやリズムはより自由に即興的に弾くべし」
ということらしいので、弾く場合も単に譜面通りに弾けばいいというわけではない。
譜面から読み取ったタイム感を、いかに即興演奏における「間合い」に向けて解体/再構築するか・・・という作業が必要となる。
これがなかなか難しく、しかし快感である。
自分では十分デコンストラクションしているつもりでも、ちょっとした細部で妙に譜割どおりに弾いていることがあるらしく、レッスンの間は主にそういう箇所の指摘に終始する。
演奏することと、演奏しながら自分の演奏を音楽として聴くことの違いを意識しながら、演奏すること・・・この微妙な入れ子感覚が楽しい。
1716年に出版された教則本を通じて、21世紀こんなアジアの片隅でこんな事を学んでいる、この不思議な感覚・・・
家にチェンバロがないのが残念。
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