パゾリーニはちょっと休憩し、ゴダールの「映画史」の第1章・第2章を忍耐強く観た。
リュミエール兄弟からハリウッド、ニュース映画まで、
ありとあらゆる映像と、
ありとあらゆるテクスト、
ありとあらゆる音声
が引用されコラージュされ、
「映画」の「歴史」を醸し出そうとする。
その一筋縄でいかなさが、実にゴダールの強度。
ビデオ撮影・編集技術をフルに動員して、それでもゴダールらしい音と映像のオーヴァーラップが美しい均衡を実現している。
はっきり言ってわかりにくい。
けれど、見ているうちに一定の様式らしきものを感じ取ることができる。
もしフランス語と英語が聞き取れるならば、もっとよく感じ取ることができるだろう。(残念)
特に戦時中の映像に関する部分や、宗教に関連していく部分は、迫力あるコラージュで
観る者につきつけてくる何かがある。
何を突きつけるかを論じれば意味のある記事になるんだろうけれど、
力が足りず「感じ取った」以上には進めない。
パゾリーニの「奇跡の丘」からの引用があった。
病を治すシーンと、力強く説教を語る言葉が引用されていた。
聖書の言葉がまるで映画の歴史への訓辞のように聞こえる。
忍耐強く観る必要がある。
これはやっぱり闘争しつづけた映像作家の闘争なんだろう。