新型コロナウィルスの感染拡大で、世の中は大変なこととなってしまいました。
首都圏などは緊急事態宣言が出され、人の動きも経済もストップに近い状況です。
ここ南会津にも、そのうち招かざるウィルスがやって来るのでしょうか…。
かといって、農業にテレワークはありません。トマト栽培に向けて淡々と作業を始めました。
植物や作物は暦通り動き続けるのですから…。
南郷トマト、今年も始まります!
世の中に関係なく季節通り動くのは、獣たちも同じです。
集落には頻繁にイノシシ、シカが。そしてこれからはクマも降りてくる。
すでに南会津マタギを引退した親方と、山奥へ向かった。あっという間に雪が消えた山は、猟にならない。足跡を追えないからだ。獲物は雪で獲んだよ…と、親方。
たまに見つかる獣道は、イノシシがかなり往来しているようだ。こんなに雪が無いと、イノシシやシカはさらに生息範囲を広げてしまうだろう。
その途中、石垣を組んだ古道が現れた。親方によると、200年以上前の江戸時代に使われた古道だという。幕府から派遣された諸国巡検使は、田島(針生)側から南郷(山口)側へ抜けるためにこの道を通ったという。
石垣と路型はしっかりと残っている。
クマ穴を目指して、さらに上へと向かう。
急斜面を直登したりトラバースしたり、やっと目的の岩穴が見えてきた。
しかし、このあと!
岩穴に着いて直ぐこの写真を撮った。この5分後、なんと赤印の穴から熊がのっそりと出てきました!
その時は二人とも岩の上にいて、なんかガサガサ音がすると見下ろすと5m下に真っ黒い大きな頭が…。
心の準備も出来ておらず、とっさに弾を込め打とうとしたが、クマは早い!
バーン!…
目の前の樹に当たって、親方大笑い…。ブナ打ちに来たんじゃねーぞ!って。
だってまさか本当に居るとは思わないんだモーン。
奴はここから出てきた。
今さっきまで寝ていた岩穴。
親方はさらに別の熊穴にもぐるもぐる。なかなかいい穴らしいです。
この冬が楽しみだ。
さて、気を取り直してさらに進む。所どころ昨秋どんぐりを食べ漁った棚が目立つ。やはりこの辺りはいるのだ。
熊は木の実を食べる時、太い枝をも簡単にバキバキ折ると思われているが、さすがに熊でもそうはいかないようだよ。見ての通り、ある程度幹をかじって枝を折りやすくしているのがわかる。
ん?なんかガサっと音がした。
ウサギちゃん居ました!
ちょうど白から茶色に毛色が変わるところですね。
下る途中、クマが入りそうな木穴を見つけた。この冬に入った形跡はなかったが、以前に入った跡はあるので今後も要チェック。
さ、今日はこのまま下山しましょう。次回はまたべつの山に行ってみます。
下山途中、かつての木地師集落の跡があった。お墓がまだそのまま残っている。江戸の明和年代…、1770年頃の痕跡です。
今まで、大飢饉、戊辰戦争明治維新、第二次世界大戦、東日本大震災原発事故、前代未聞の雪不足、そして新型コロナウィルス…と世の激動が度々あったことでしょう。それでも淡々と営みを続けているのは自然やそれに直接かかわる人間なのかもしれません。(ただし放射能汚染はまた別ものですが…。未だに帰還困難区域の山野は汚染されたままだ…)
はやく世の中に日常が戻りますように…。
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