10月20日の朝。車のフロントガラスが凍っていました。初霜のようです。
畑の最低気温はー1.1℃。一気に冬日となりました!
昨年よりも5日早い初霜です。
さて、そんな放射冷却の朝でしたがもちろん天気は晴れ。今日は畑仕事を休み三本槍岳へ向かいました。
下郷町の観音沼からさらに奥へ延びる林道から、三本槍岳を目指します。
(林道は標高1,260mで通行止め。ここから歩くことになります。駐車スペースは多くなく、土日は競争必至でしょう。)
ツタウルシで鮮やかに彩られたカラマツ林を見ながら、林道を歩きます。
実はこの林道、歴史ある道でもあります。会津と江戸を結ぶ街道の一つでした。今でもこのように石畳が残っていますよ。
古道は途中鏡が沼への分岐を経て、ダケカンバと笹の明るい登山道となります。
樹々の背丈が低くなったかと思えば、あっという間に福島・栃木の県境でもある標高1,460mの大峠へ到着です。
太平洋と日本海の分水嶺でもあるこのエリアは、標高のわりには高山のような景観をみせています。
大峠の分岐から、県境稜線を辿るように三本槍岳を目指します。この辺りの紅葉はすでにピークを過ぎていました。
背後を振り返ると、流石山の裾野の向こうに下郷の街が遠望できました。
だいぶ標高を上げると、1,820m付近から北側に旭岳の尖った山稜と眼下には伝説の鏡ヶ沼が見下ろせます。
箱庭のように見える鏡ヶ沼とそこから延びる登山道。この2時間後にはあの沼の畔で、コーヒーを飲みながらゆっくりたたずむことになります。
須立山(すだちやま)との分岐を過ぎると山頂は間もなくです。
お昼を過ぎても、まだ霧氷が所どころに残っていました。
歩き出してから2時間50分、三本槍岳山頂へ到着です。
気温は4℃、南西からの風が常に吹いており体温を奪われないようにすぐにジャケットを羽織りました。
南側にはすぐに、いかにも火山らしい朝日岳と茶臼岳が見えています。
西側には流石山~大倉山~三倉山の山稜がどっしりと構えていました。
冷たい風が吹き付けている山頂では長い無用。すぐに鏡ヶ沼を目指しました。
須立山への分岐から鏡ヶ沼への下り道は、ずるずるの直下降。転倒に注意されたし。
三本槍岳から約1時間。見下ろしていた鏡ヶ沼に到着。
紅葉のピークは過ぎているが、ダケカンバとドウダンツツジ類、イチイに囲まれた神秘的な沼だ。
この沼の大蛇伝説は、あの「まんが日本昔ばなし」にも取り上げられていた。
畔の樹々の陰に鏡沼大明神と刻まれた石灯籠が立っていた。ちょっとドキッとする…。
この沼は窪地になっているので、風が遮られ穏やかだ。ここでゆっくりコーヒーを楽しんだ。
陽が傾いてきた。沼を後に林道終点までの残り道を、紅葉を見ながらゆっくり戻った。
休憩を含めた行動時間は5時間30分。晩秋の静かなトレッキングでした~。