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求職者支援制度・「第2の安全網」の役割重い/実効性のある「安全網」に

2011-10-29 18:04:08 | Weblog

        求職者支援制度  

     「第2の安全網」の役割重い  

      実効性のある「安全網」に  

       地域ぐるみで後押しを   

【宮崎日日新聞】くろしお - 2011.10.25
求職者支援制度 「第2の安全網」の役割重い
http://www.the-miyanichi.co.jp/contents/?itemid=41592&catid=15&blogid=5&blogid=5&catid=15

 長期の失業者らが生活費の支給と職業訓練を受けながら働き先を見つけられるよう支援する「求職者支援制度」が10月からスタートした。
 リーマン・ショック後の厳しい雇用情勢への対策として、麻生政権当時の2009年7月から2年間、「緊急人材育成支援事業」が実施された。この事業を手直しした上で恒久化したものだ。
 通常失業すると、雇用保険の失業手当が受けられる。
 しかし再就職ができないうちに失業手当が切れたり、雇用保険が適用されない短期アルバイトを繰り返してきた失業者が困窮したりすると、これまでの救済策は生活保護だけだった。
 求職者支援制度は、雇用保険と生活保護の間につくられた。雇用保険に次ぐ「第2の安全網」と位置付けられている。

■失業手当の資格ない■
 労働者の3人に1人が非正規雇用の時代になった。1年以上の失業者が3人に1人、失業手当の資格がない失業者がハローワークでの新規登録者の半数に達する。
 一方で生活保護の受給者は200万人に上り、09年度の給付総額は初めて3兆円を超え財政の圧迫要因にもなっている。
 職業訓練で身につけた技術力で再就職が決まり、生活基盤を取り戻す。一人でも多くの失業者が再起できるよう実効性のある制度にしたい。
 厚生労働省によると、緊急人材育成支援事業では約49万人が訓練を受け、約34万人が受給した。昨年1年間の受講者17万人弱の就職率は約70%という。ただパートやアルバイトなどが半数に上ったほか、雇用保険取得者は23%程度という分析結果もある。

■レベル低い訓練校も■
 訓練を真面目に受けないまま生活費をもらった求職者がいたほか、訓練レベルが低い職業訓練校もあったなどの問題点も指摘された。
 求職者支援制度ではハローワークに判断権限を与え、理由なく訓練を欠席した受講者の生活費支給を停止したり、職業訓練校の基準を厳格にするなどの問題再発防止策を取り入れた。ただハローワークはしゃくし定規な対応ではなく、さまざまな事情を抱えた求職者と十分話し合いながら支援に努めてほしい。
 ハローワーク側の態勢では、マンツーマンで求職者の支援に当たる専門相談員の役割が重要になる。同時に自治体や企業など、地域ぐるみで対応する仕組みをつくる必要がある。求職者支援制度では都道府県の各労働局に地域訓練協議会を設置し、地域の雇用状況を反映した職業訓練計画を作成するとしている。
 都道府県などが進める地域活性化策に沿った人材が育ち、雇用につながるような計画が求められる。特に求職者と地域の中小企業との橋渡しに力を入れる必要がある。
 東日本大震災をきっかけに雇用情勢は一層厳しくなっている。「第2の安全網」の役割は重い。

【福井新聞】福井のニュース > 論説 - 2011.10.25
求職者支援制度 実効性のある「安全網」に

http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/editorial/31171.html

 今月からスタートした「求職者支援制度」。長期の失業者らが生活費の支給を受けながら職業訓練を積み、働き先を見つけられるよう支援する制度だ。雇用保険に次ぐ「第2の安全網」といわれる。
 麻生政権当時の2009年7月から2年間、「緊急人材育成支援事業」が実施され、新制度はこの事業を修正し恒久化した。
 ただ、福井労働局によると、県内では今のところ応募は低調という。
 新制度は旧事業に比べ基準などを厳格化したため、9月までに旧事業への駆け込みが増え、新制度は様子見の人が多いようだ。利用されなければ意味はない。一人でも多くの失業者が再起できるよう実効性のある制度を望みたい。
 失業した場合、通常は雇用保険の失業手当が受けられる。だが、再就職に至らないうちに手当の期間が切れたり、雇用保険不適用の短期アルバイトに就いていた失業者が困窮したりした場合、救済策としてはこれまで生活保護しかなかった。
 リーマン・ショックに加え、東日本大震災、超円高など経済の低迷を受け雇用情勢は一段と厳しさを増している。労働件者の3人に1人が非正規。1年以上の失業者が3人に1人で、失業手当の資格のない失業者がハローワークでの新規登録者の半数に上る。
 一方で生活保護受給者は200万人に達し、09年度の給付総額は3兆円を超え財政の圧迫要因ともなっている。
 求職者支援制度では、生活費として月額10万円と交通費が支給され、ITや介護などの訓練を3~6カ月間受けられる。
 ハローワークが認めた求職者ごとに支援計画を作成、求職者はハローワークでの定期的な面接が義務付けられる。
 厚生労働件省によると、緊急人材育成支援事業で訓練を受けたのは約49万人で、約34万人が受給。昨年1年間の受講者17万人弱の就職率は約70%という。ただパートやアルバイトなどが半数に上り、雇用保険取得者は23%という分析もある。
 真面目に訓練を受けずに生活費をもらっていたケースや、奨励金を不正受給した職業訓練校もあるなど、問題点も浮き彫りになった。
 新制度ではハローワークに判断権限を与え、理由なく欠席した受講者への生活費支給の停止、職業訓練校の基準を厳しくするなどの再発防止策を取り入れた。
 厳格化したとはいえ、ハローワークはさまざまな事情を抱えた求職者と十分話し合いながら支援に努めるべきだ。専門相談員の役割が重要であり、マンパワー不足にならないような配慮もほしい。
 制度では、都道府県の各労働件局に地域訓練協議会を設置し、地域の雇用状況を反映した職業訓練計画を作成するとしている。とりわけ求職者と地域の中小企業との橋渡しに力を入れるべきだ。
 雇用情勢が一層厳しくなる気配がある中、第2の安全網として制度の役割は重要だ。


【南日本新聞】社説 - 2011.10.25
[求職者支援制度]地域ぐるみで後押しを

http://www.373news.com/_column/syasetu.php?ym=201110&storyid=35878

 雇用保険の失業給付が切れた長期の失業者や既卒者らが、毎月の生活費の支給と職業訓練を受けながら就職先を見つけられるよう支援する「求職者支援制度」が10月から始まった。
 訓練で身につけた技術力を生かして早期就職を果たし、生活基盤を取り戻す。一人でも多くの失業者が再起できるよう実効性のある制度にしなければならない。
 支援制度は、2008年秋のリーマン・ショック後の厳しい雇用対策として2年間実施された「緊急人材育成支援事業」が9月に終了したのを受け、恒久化されたものだった。雇用保険と生活保護の中間につくられ、雇用保険に次ぐ「第2の安全網」と位置づけられている。
 働く人の3人に1人が非正規雇用の時代である。1年以上の失業者が3人に1人、失業手当の資格がない失業者がハローワークでの新規登録者の半数に達する。
 支援制度の対象者は、月10万円の生活費を支給され、介護やIT(情報技術)などの訓練を3~6カ月受ける。求職者ごとに支援計画を作成し、求職者はハローワークでの定期的な面接を義務付けられている。
 運用の中核を担うハローワークの役割は大きい。さまざまな事情を抱えた求職者と十分話し合いながら支援に努めてほしい。専門相談員の役割が重要になるが、現状ではマンパワー不足が懸念されている。必要な人員は確保すべきだ。
 加えて、自治体や職業訓練校、企業などとの緊密な連携が欠かせない。支援制度では、都道府県の各労働局に経済団体や有識者らでつくる地域訓練協議会を設置し、地域の雇用状況を反映した職業訓練計画を作成することになっている。
 鹿児島労働局管内では現在、2700人が訓練計画の認定を受けている。新制度の発足に合わせ、求職者の相談に応じる「求職者支援室」も設置した。地方の雇用情勢は一段と厳しいが、地域ぐるみで雇用の確保を図っていきたい。
 一方、全国で生活保護を受給している人は6月時点で204万人を超え、戦後の混乱の余波で過去最多だった1951年度の数字に近づいている。2009年度の給付総額は初めて3兆円を超え、財政の圧迫要因にもなっているのは見過ごせない。
 新制度が東日本大震災を機に厳しさを増す雇用情勢の改善はもとより、生活保護の受給者を減らす効果にも期待したい。