シリアのアサド政権軍が毒ガス兵器使用、死者1350人以上、エジプトのシリア化にイスラエル、米国は困惑

2013年08月25日 03時02分23秒 | 政治
◆シリアのアサド政権軍が8月21日未明、ダマスカス近郊のザマルカ、アインタルマ、東グータなどを空爆した際、化学兵器(毒ガス兵器)を装填した爆弾を使い、死者1350人以上(このうち子供が約半数)、負傷者5000人以上を出した。現場は、国連の化学兵器調査団が拠点としているところから8―16キロの地点で、シリア内戦開始以来最も大規模な化学兵器の使用となる。
 東京新聞TOKYOwebは8月22日付け朝刊で、「化学兵器の使用や千人を超す犠牲者が事実なら、近年ではイラク北部ハラブジャで旧フセイン政権が約五千人を殺害した事件(一九八八年)に次ぐ大惨事となる恐れがある」と報じている。事態を深刻に受け止めた欧州各国やアラブ連盟は、国連調査団に対し、現地での調査を求め、米国オバマ大統領は、早急な情報収集を米情報機関に指示したという。
 シリア内戦はいまや、収拾がつかない状況にある。アサド大統領をバック・アップしているロシア、中国、イランなどの勢力と、反政府グループを支援している米国、イスラエルなどの勢力とが、いわば「代理戦争」さながらに背後で激突しているからである。
◆このため、とくにイスラエルと米国は、エジプトの争乱が内戦に発展し、「シリア化」するのではないかと困惑、警戒心を強めている。つまり、エジプト軍のクーデターにより生まれた暫定政権と、ムルシ前大統領を支持する「ムスリム同胞団」とこれに加勢する過激武装勢力アルカイダとの対立が激化して、収拾がつかない状態になると、双方ともに、使用する兵器が、どんどんエスカレートして、ついにはシリア政府軍のように「毒ガス兵器」を使う最悪事態に陥る危険があるからである。
◆今回のエジプト軍のクーデターは、イスラエル情報機関「モサド」と米国CIAとが、合作で行ったものと見られている。けれども、結果は、予想外の展開になっている。イスラエル、米国ともに、クーデターは、簡単に実行でき、首尾よくムルシ前大統領を排除して、思い通りの政権を樹立できるものと「取らぬ狸の皮算用」をしていた。
 ところが、予想外、計算外だったのは、ムルシ前大統領を支持している「ムスリム同胞団」や一般市民の多くが、激しく抵抗を始めたことであった。「ムルシ前大統領復帰」を求めて、大規模な集会やデモが、全国的に繰り広げられ、暫定政権は、大慌てした。
 そこで、治安部隊とエジプト軍を出動させて、武力で排除しようとしたが、むしろ、火に油を注ぐことになってしまった。それも、容易に屈服させることができると考えていたのが、大外れしたのである。
 イスラエルは、ムバラク元大統領以来の約束であった「シナイ半島領有」という目的を果たせないでいる。同時に、「ムスリム同胞団」が食糧や医薬品、さらには武器弾薬などを支援しているパレスチナとの関係を断ち切ろうとしていたのに、これも実現できていない。
 米国は、ムルシ前大統領が国民投票により、民主的に選ばれたものの、イスラム原理主義的な改革方向に走り出したことから、これを食い止め、米国に都合のよい「民主化」を行わせようとエジプト軍にクーデターを行わせたにもかかわらず、思惑通りに事が運ばない。これは、言うなれば、大失敗だった。それ以上に、エジプト国民が、民主的に選んだ大統領を倒すことに力を貸したため、いまや「民主主義を否定」する米国という不名誉な評価を国際的にされてしまうハメになっている。自由と民主主義を標榜する米国としては、その痛手は大きい。
 そればかりでなく、エジプトが内乱状態に陥り、最悪の場合、暫定政府軍、「ムスリム同胞団」など反政府勢力のいずれかにしろ、「毒ガス」を使用することになれば、取り返しがつかなくなる。さりとて、国防費を大幅削減されている米国オバマ大統領が、大兵力をエジプトに投入して、秩序を回復させるだけの余力はない。
【参考引用】読売新聞YOMIURIONLINEが8月23日午後0時時57分、「シリア毒ガス、米が独自調査…大統領が指示」という見出しをつけて、以下のように配信した。
「【ワシントン=山口香子】米国務省のサキ報道官は22日の記者会見で、シリアのアサド政権軍による毒ガス兵器使用疑惑について、『(オバマ)大統領が早急な情報収集を米情報機関に指示した』と述べ、米国として事実関係の調査を進めていることを明らかにしサキ報道官は、『現段階では化学兵器の使用を結論づけられない』と述べた。同報道官によると、ケリー国務長官は同日、シリア反体制派統一組織『国民連合』のジャルバ議長や国連の潘基文パンギムン事務総長、欧州連合(EU)のアシュトン外交安全保障上級代表のほか、仏、ヨルダン、カタール、トルコの各外相と個別に電話でシリア情勢を協議した」

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本日の「板垣英憲(いたがきえいけん)情報局」
エジプト暫定政権はムルシ前大統領に自殺を促し、ムススリム同胞団はエジプト軍下級将校に下剋上呼びかけ

◆〔特別情報①〕
 エジプトのムルシ前大統領を支持する「ムスリム同胞団」や一般市民の間で、不穏な情報が流布されている。「暫定政権が、ムルシ前大統領の「そっくりさん」を探している。前大統領は.殺される」というものだ。これは、「ムスリム同胞団」に近いイスラム世界の専門家筋の情報である。「ムスリム同胞団」は、武装闘争を強化しつつあり、スエズ運河を利用している日本の海運業界は、危機感を募らせている。

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