北朝鮮の「核開発」を恐れるよりも、金正日には「大爆発事故」を起こさないよう厳重に注意を促そう

2007年02月18日 16時25分37秒 | 政治
◆「戦後レジーム(体制)からの脱却」とは、安倍首相の口癖である。だが、その意味するところは、曖昧である。よく分からない。概念ないし定義が、はっきりしていないからである。この首相は、一体、日本国民をどこへ誘導しようとしているのか。行き先不明である。これでは、バスに乗っている乗客が不安になるのは、当たり前である。
自民党の山崎拓元副総裁が「6か国協議」で、安倍首相の外交姿勢に対して、「バスに乗り遅れるな」と苦言を呈しているが、山崎氏の言う「バス」の行く先は、どこなのであろうか。こちらも定かではない。世にも不思議な「奇妙なバス」に乗って、魑魅魍魎たちと同席して、気持ちの悪い生活を強いられるくらいなら、乗り過ごしてもよい。
 魑魅魍魎たちが、日本に目をつけているのは、日本国民が、汗みどろになって稼いだ「カネ」でしかない。山崎氏は2月18日のサンデープロジェクトに出演して、「北朝鮮の核から日本国民を守ることも、国家の務め」と言い、「拉致被害者救出問題」と平行して北朝鮮と渡り合う必要性を力説していた。
◆だが、「非核三原則」を国是としている日本は、北朝鮮の「核保有」を認め、これを前提とし、「核兵器」に屈して「見返り」を与えてしまう外交交渉は、「本来の外交」とは言えない。これでは、「核保有」を正当化することになる。
 北朝鮮が、核保有国であるアメリカや中国から「核を持つな」と言われる筋合いは、確かにない。核保有国の身勝手な論理であるからである。イランにしても、同様である。「核不拡散」という大義名分は、核保有国である大国の都合にすぎない。だから、北朝鮮が、「核保有国」を宣言しても、ギリギリのところで、反対できなくなるのは、当然である。
◆しかし、日本は違う。人類有史以来、初めての被爆国であるが故に、核保有国が持てない論理を持つことができる。しかも、核兵器を持とうとすれば、一夜にして「保有国」になれる科学技術大国である。このことを核保有国に忘れてもらっては困る。そればかりではない。「非核三原則」を国是としていることを逆手に取ってもらっても困る。
 ブッシュ政権はいま、イラク戦争の敗戦国に成り下がり、イラク国内を争乱状態に陥れている。アメリカ軍の弱体ぶりを知ったイランは、イラクへの勢力拡大を図ろうとしている。もともとアラブ民族の土地であるから、「侵略」という言葉は当らないだろうが、イランは、北朝鮮からミサイルや核燃料などを買い、「核開発」に勤しんできたと言われている。この得体の知れない力を背景に、武装テロ組織などに支援しつつ、イラクへの圧力をますます強めている。はっきり言って、フセイン元大統領を絞首刑に処したいま、アメリカは、中東地域における覇権を維持することはできなくなっている。2万人以上の兵力を増派しても、無理である。アメリカという文明国育ちの兵士が、砂塵吹き荒れる砂漠地帯に奥深く入り込んで、思う存分戦えるはずはないのである。これは、「孫子」が地形篇第10「天の時、地の利をわきまえよ」で厳しく諌めているところである。万が一、開戦に踏み切ったとしても、「兵は拙速を聞く」という原理原則に従い、「短期決戦」で終結しなくてはならない。
◆チエイニー副大統領が、間もなく日本にやってくる。同盟国から頼まれれば、助けるのは当然としても、真の同盟国としては、「イラクからの撤退」を助言するのも親切というものである。北朝鮮問題でも、「泥棒に追い銭」であると説明すべきである。中国という核保有国が、依然として北朝鮮の宗主国であることを忘れるべきではない。だから北朝鮮の核を恐れる必要はないのである。それよりも、金正日総書記に対して、「折角、核開発しているのなら、爆発事故を起こさないよう安全には十分気をつけるように」と厳重に注意を促す必要がある。チェルノブイリ事故やスリーマイル島のような大事故を起こされて、日本が「二度目の被爆国」にされては、たまらない。
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