津守滋教授の新著「後藤田正晴の遺訓」を日本民族に対する警世の書として一読を勧める

2007年02月20日 13時35分38秒 | 政治
◆東洋英和女学院大学の津守滋教授が、2月21日付で、新著「後藤田正晴の遺訓―国と国民を思い続けた官房長官」(ランダムハウス講談社刊)を上梓された。表紙には、「没後1年『リベラルなカミソリ』が遺したメッセージ」の触れ込みも書かれている。
株式会社ランダムハウス講談社マ―ケティング部の笹森裕子さんから、見本書籍が弊事務所に届けられた。同封の案内に以下のようにしたためられている。
 「2005年9月――田中角栄元首相の『懐刀』、中曽根康弘元首相の『知恵袋』として、その後も歴代政権の中枢に在った後藤田氏が逝去しました。その鋭い舌鋒と洞察力から『カミソリ後藤田』と呼ばれた氏の存在感はいまだ多くの政治家の規範とされています。本書は、氏の秘書官をつとめた著者が、生前の氏の姿と関係各者への緻密なインタビューにより、真の『後藤田正晴』像を描き出した渾身の作であります」
◆津守教授は1939年、大阪府生まれ、62年京都大学法学部卒業後、法務省入省、65年外務省入省。経済局国際機関第二課長、後藤田正晴官房長官秘書官、アジア局地域政策課長、在ソ連大使館参事官、OECD代表部参事官、駐ミュンヘン総領事、在ドイツ大使館公使、欧亜局審議官、在ベルリン総領事、駐クウェート特命全権大使、駐ミャンマー特命全権大使などを歴任されている。
◆早速、拝読。このなかで、最近の政局に照らし合わせて読むと、後藤田元官房長官の「遺訓」が、改めて意味深く伝わってくる。そのいくつかをピックアップしてみよう。
 ①「沈まぬ空母なんてないよ」
 ②「日米安保条約を平和友好条約に」
 ③「サンフランシスコ平和条約を破って、日本はどこへ行こうというのか」
 ④「派遣の決定より、引き揚げの決定の方が難しい」
 ⑤「出来るか出来ないかではない。やるかやらないかだな」
 ⑥「ワシは(安倍)晋三が岸信介になるのを心配しとるんじゃ」
 ⑦「共産党はマルキシズムをやめて、社民党と一緒になってもらいたい」
 ⑧「憲法改正の場合は、前文に聖徳太子の『和』の精神を是非入れてほしい」
 このほかに、これからの日本の行く末について、示唆に富む言葉がたくさん書かれている。
◆安倍首相は、「美しい国づくり」を標榜し、「戦後レジーム(体制)からの脱却」を声高に喧伝している反面、安倍首相は、武田信玄の軍師・山本勘助のような人物を側近に持たず、そのため指導力が問われ、安倍内閣の支持率が低下し続けている。
いま永田町や霞ヶ関辺りでは「安倍首相の側に後藤田元官房長官のような優れた軍師がいれば、政権は安定するのに」という声が囁かれている。
 このときに、津守教授の新著「後藤田正晴の遺訓―国と国民を思い続けた官房長官」は、まさに時宜を得た作品であり、日本民族に対する警世の書である。 多くの国民に一読を勧めたい。〔なお、参考文献のなかに、拙著「後藤田正晴 男の美学」(近代文芸社刊)が含まれているのを発見した。赤面の至りである〕

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コメント (1)
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