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企業は「総会屋」に「弱み」をつかまれるような不明朗な経営をしてはならない

2005年06月29日 19時28分23秒 | 経済
新会社法、29日成立 有限会社を廃止、買収防衛策強化 (朝日新聞) - goo ニュース

株主総会 集中1600社 (産経新聞) - goo ニュース

 このところ、企業に関するニュースが連続している。新会社法が29日、国会で成立した。有限会社が廃止され、株式会社に一本化され、「資本金1円」から設立できるようになった。また、企業が「M&A(買収)」を行いやすくなり、日本も「大買収時代」に突入する。外資系企業が日本企業に対して、買収攻撃をかけてくることが予想される。ライブドアの堀江貴文社長が、株式市場での時間外取引に制限が儲けられるにしても、ニッポン放送株を買収したような荒っぽいやり方は、当たり前になる。これまでの「官僚統制」による「社会主義的」とも言える「日本の資本市場」は、アメリカ流の「資本社義市場」に徐々にではあるが、生まれ変わることが強く求められる。企業人も国民も、嫌がうえにも「意識改革」しなければ、この新しい時代に生きていくことはできなくなる。
 また、29日は、東京都内などで約1646社にものぼる大企業の株主総会が開かれた。
 6月下旬の特定の日に株主総会が集中するのは、「総会屋対策」からであった。日程がバラバラだと、総会屋が株主総会をハシゴして、総会を紛糾させたり、逆に、一般株主が企業にとって都合の悪いことを発言するのを封じ込めるなどして総会を取り仕切ったりして、その裏でカネを受け取るということが頻発したため、総会屋の動きを制約する目的で、経団連など財界と警視庁の指導で、特定の日時に総会を集中するようになった。
 それでも、企業と総会屋の黒い関係は、絶滅できず、伊勢丹、西武など有名企業が、「カネ」を総会屋につかませる事件が、間欠的に発覚している。
 最近の例では、東京ディズニーニンドを運営しているオリエンタルランドが、総会屋と付き合っていたことが判明し、今回の株主総会でも追及された。
 決して、総会屋を高く評価するつもりはないけれど、企業が活動を続けていけば、何らかの不祥事に見舞われたり、役員のスキャンダルが噂に上ったりして、企業が弱みを持つケースは後を絶たない。耳をダンボにして企業の周辺をうろついている総会屋は、そうした「弱み」を目敏く、耳を敏感にして、「情報」をキャッチするのである。
 確かに、総会屋というのは、社会のダニのような存在である。しかし、企業の不正や不祥事やスキャンダルを暴く手腕や能力は、凄い。これを「カネ」にしようとするのは、「汚いやり方」とも言えるが、情報誌などを通じて、企業の不正や不祥事やスキャンダルを明るみに出すという「機能」も持っている。警察やメディアがその後を追うように、総会屋情報を端緒として、警察が内偵に乗り出したり、メディアが取材したりするという構図も成り立っていた。総会屋の「功罪」と言えば、まったく「功」がなかったかと問えば、「皆無」とは言えなかったのである。警察が、企業と総会屋を切り離そうとしても、企業がなかなか縁を切れなかったのは、企業側が「弱み」を再生産していたからとも言える。
 企業の不正や不祥事やスキャンダルが、企業の都合のいいように「闇」に葬られたら、そのことによって損害を被るのは、株主であり、ひいては、国民であると言える。一般株主が、企業の「弱み」を見つけるのは、至難の技であり、警察にしても、すべての企業の不正や不祥事やスキャンダルを見つけることはできない。総会屋を一網打尽にはできず、仮に捕まえても、1人の総会屋が数十社から「カネ」を巻き上げていた場合、それらのすべての企業を事件化するのも容易ではない。だから「一罰百戒」ということにならざるを得なかったのが、これまでの実情である。ましてやメディアにも限界がある。
 これからの企業は、総会屋に弱みをつかまれるような不正や不祥事やスキャンダルを起こしてはならない。また、経営陣は、常に「遵法精神」を忘れることなく、法を順守し、企業活動に関するあらゆる情報を一般に公開し、説明責任を果たし、業績について、「粉飾」することなく、正しい経営を行うよう懸命に努力する必要がある。
 また、一般株主も、「発言する株主」として、しっかり権利を行使し、疑惑を招いているような企業経営内容には、厳しく追及する姿勢と態度が求められる。

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