小泉内閣の「骨太の方針」は、「骨細の方針」に変質、速やかに「積極財政」により景気底上げを

2005年06月22日 17時48分24秒 | 政治
骨太の方針、閣議決定…小さな政府の実現など強調 (読売新聞) - goo ニュース

 政府は21日、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針」(骨太の方針)を閣議決定した。だが、「骨太」とは、名ばかりである。「骨細」で肉付きがまったくない。名古屋場所を控えて、稽古場で浴衣を脱いで、久しぶりに廻し姿になり弟子たちに稽古をつけていた貴乃花の痩せ細った姿に似て痛々しい。
 小泉首相が就任し早々から提唱してきた「構造改革なくして景気回復なし」のスローガンは、実際には「構造改革なく、景気回復もなし」に終始して、近未来への展望すら見えていない。日本がこれからどこへ向かっているのか「進路」がはっきりしていないのである。
 「骨太の方針」の骨子に沿って点検してみよう。
 ▽「医療費適正化の実質的な成果を目指す政策目標を設定」
 国民医療費が年間1兆円ペースで膨張しているのに、これに歯止めがかけられていない。診療報酬を引き下げ、薬科基準も引き下げなくてはならない。
 とくに歯科の診療報酬については、歯科医師が「入れ歯」のところを「ドル箱」にして「暴利」を貪っている状況は未だに改善されず、早急に改革すべきである。
 社会主義的医療を改革して、資本主義の論理を貫き、企業が病院経営できるように規制の緩和が求められているにもかかわらず、日本医師会の抵抗にあい、政府自民党が断念しているのは、納得いかない。厚生労働族議員のドン・橋本龍太郎元首相の責任を厳しく追及しなくてはならない。
 ▽「公務員の総人件費抑制のため、国・地方とも定員の「純減目標」などを策定」
 IT革命により、電子政府を早期に実現すれば、公務員は現在の10分の1で済むはずなのに、行政改革が一向に進んでいないのは小泉首相の熱意が不足しているからである。郵政民営化を一気に片付け、公務員の牙城に攻め込むべきである。
 平成11年(1999)4月に来日し、6月に日産自動車の社長に就任したカルロス・ゴーンは、徹底したコスト・カットを実行して、日産リバイバル計画を達成し、続いて「180計画」を進め、日産の立て直しに成功、ルノーのCEOに就任している。
 これに比べれば、小泉改革がなんとノロノロしていることか。小泉首相は、カルロス・ゴーンの「ツメの垢」でも煎じて飲んだらよい。
 ▽「ODAは我が国にふさわしい十分な水準を確保」
 国連安保理常任理事国入りしたいがためにODA(政府援助)資金を増額するというのは、許されない。
 小泉構造改革が、まだ道半ばというのに、見栄を張ることはない。外務官僚が情報収集するのに楽だからという理由で国連安保理常任理事国入りしても、ロクな成果は上げられないだろう。アメリカが消極的なのが、日本にとっては幸甚である。中国・韓国が反対してくれているのも助かる。
 ODAを増額することを考えるよりも、減額する方針を続けるべきである。とくに中国へのODAを平成20年(2008)の北京オリンピックまでに「ゼロ」にするというけれど、平成18年(2006)から「ゼロ」した方がよい。
 中国共産党一党独裁の北京政府は、日本を小馬鹿にしている。日本からのODA資金を「軍備増強」と「北朝鮮やアフリカなどへの経済援助」に回しているというのでは、何のためのODAかわからなくなる。こんな「国益に反する無駄遣い」は、極力止めようではないか。
 北朝鮮への援助物資として送ったコメが、闇市場で売られている映像を見せられると、これでは何のための援助かわからなくなる。金正日総書記は、日本人の「アホ面」を笑っているに違いない。  ▽「公共投資の重点化・効率化は06年度予算でも着実に推進」 小泉首相が、馬鹿の一つ覚えのように「構造改革なくして景気回復なし」と叫んではきたけれど、地方でも景気回復はまだ実感が持たれていない。
 景気循環上は、平成14年10月から「上昇軌道」に入っているはずなのに、「勢い」がない。これは、自民党のお家芸であった「景気対策」に力が入っていないからである。当たり前だ。小泉首相が、「緊縮財政派」で知られた福田赳夫首相の愛弟子だからである。いわゆる「ケチケチ財政」では、景気は盛り上がらない。
 国際版の「公共事業予算」と言われている「ODA」の増額を考えるくらいなら、国内版の「公共事業予算」を増額して、失業者に仕事を与え、生活苦からの脱出の機会を与えることの方が先決である。毎年3万2000人もの自殺者を出し、全国で2万4000人ものホームレスがいるのであるから、こうした惨状を打破すべきである。
 日本の景気が底上げされて、経済がよくなれば、税収も増え、ひいては、財政健全化への道も開かれてくる。「景気対策に強い自民党」の復活が望まれる。小泉構造改革は、もう諦めて、「ポスト小泉」には、「積極財政派」から総理大臣を出す必要があろう。
 ▽「政府系金融機関改革を今秋に向けて議論し、基本方針を策定」日本企業の90%を占めている中堅・中小企業が元気にならなければ、日本の景気回復は、本物にはならない。
 政府系金融機関は、中堅・中小企業にとって、いわば救いの神である。資金面での支援体制を強化し、次の「21世紀経済成長」を目指して、政府は、中堅・中小企業を全面支援すべきである。
 ▽「06年度予算は引き続き歳出改革路線を堅持・強化」
 とにかく政府機関、組織の「無駄遣い」には、目にあまるものがある。公務員給与の引き下げ、経費の削減とともに、「防衛予算」の無駄にもメスを入れる必要がある。
 自衛隊の「イラク派遣」は、もうそろそろ止めてもよかろう。外国軍に守られて、いつまでも「水の供給」を続け、「国際貢献」のフリをしていなくてもよい。給水車をイラクの現地の人々に寄付し、技術を伝授して、早々に帰国すべきである。
 少子社会のなかで、萩国際大学のような経営難から廃校を迫られている私立大学が全国各地に存在しており、「私学助成金」も減らせる状況になっている。
 アンケート調査によれば、子どもたちの多くが、「小人数学級」を望んでいないという結果も出ており、当面「40人学級」を維持しつつ、小中学校の教員も減らす方向で検討すべきである。そうすれば、義務教育費の膨張を防げる。
 いまや父母の多くは公教育をアテにはしていない。教育資金がかかっても、水準の高い「私立学校」に子弟を入学させたいと考えている父母が増えている。
 この意味では、「企業立」の進学校の設立を促進する時代になっている。貧しい家庭の子どもは「公立」の学校で「費用のかからない教育」を受ければよい。将来、どちらの学校を卒業した子どもが、成功するかどうかは、わからないのである。偉大な経営者である松下幸之助翁も小佐野賢治翁も高等小学校卒、小説家の吉川英治もやはり高学歴ではなかった。将来、偉大な人物になれるかどうかは、卒業した学校では決まらないのである。
 小泉首相は、とにかく「既得権益の打破」により、真の「構造改革」により、景気底上げに踏み切るべきだ。近隣諸国から「靖国神社」とか「歴史認識」とか「歴史教科書」とかの「宣伝謀略」や「騒音」への応対に振り回されて貴重な時間を浪費している暇はないのである

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