「オレより頭が悪い」と言って我が子に殺された父親、「お前は天才だ」と言って世界的経営者にした父親

2005年06月23日 17時31分18秒 | Weblog
両親殺害、逮捕の15歳「父から頭悪いと言われ」 (読売新聞) - goo ニュース

 東京都板橋区の建設会社「佐藤工業」の社員寮で、管理人の夫(44)と妻(42)が殺された事件で、夫妻の一人息子である東京都立高校1年の少年(15)が殺人容疑で逮捕された。少年は、「前日に父から『オレより頭が悪い』と言われた。バカにしたので殺してやろうと思った」と殺人動機を供述しているという。
 この報道を耳にして、直ぐに思い浮かんだのが、ソフトバンクの孫正義社長の顔であった。この事件とはまったく無関係ではあるが少年の父親は、自分の子どもに向かって不用意な言葉を吐かなければ、殺されないで済んだものをと思った。
 同時に、孫社長が、子どものころ、父親から「お前は天才だ」と言われて育った話していたのが思い出されたのである。
 私は、もう8年も前になる平成9年4月20日、「孫正義 常識を破って時代を動かす」(日本文芸社刊)という本を上梓した。
 孫社長に直接面会して取材したとき、話のなかで、孫社長は、父親の思い出話をしてくれた。
 「ヨチヨチ歩きを始めると、父は、お前は天才だと言って誉めてくれた。箸の上げ下ろしができるようになると、お前は天才だと言って喜んでくれた。この調子でどんなに些細なことでもできると、必ず、お前は天才だと言ってくれた。その父の言葉を真に受けて、自分は本当に天才だと思い込むようになった。そして、どんなに辛いことでも頑張れるようになった。父に誉められ、自分の人生にとってどんなに励まされたことか」                アメリカのマイクロソフト社のビル・ゲイツと肩を並べて「デジタル情報社会のインフラ整備の旗手」と言われ、弱冠47歳である孫社長は、平成16年の日本の高額納税者では、100人中87番目にランクされるほどの高額所得者になっている。ライブドアの堀江貴文社長は、32歳にしてニッポン放送株の35%を買い占めて世間をアッと言わせた。堀江社長の快挙は、「社会主義的」な「日本型資本主義」を米英流の自由主義と民主主義を徹底的に貫く「資本主義」に変える大きなキッカケとなった。「大買収時代の到来」である。この堀江社長が最も尊敬している経営者が孫社長である。 孫社長が今日あるのは、並々ならない努力の賜物であるが、それ以前に、孫社長の人生を根底において決定づけたのが、父親の「お前は天才だ」という言葉であったことは見逃せない。
 「人を殺すのに刃物はいらない。たった一言あればよい」という言い方がある。今回の両親殺人事件は、父親が発した不用意なたった一言が少年の心を深く傷つけ、それが自分に跳ね返ってきて、我が子の手にかかったとも言えよう。
 この事件は、日常、何気ない言葉にも、十分に気をつけなくてはならないという教訓を与えている。子どもを持つ親の心構えとしては、孫社長の父親のように子どもを勇気づける言葉を使うように努めるべきではないだろうか。

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