辛 シン・からい 辛部
解字 甲骨・金文とも、先のするどい刃物の象形で下が刃先。上が∇形と、その上に短い一が付く形があったが、篆文で短い一形になり、さらに下部にも一がついた。現代字は「立+十」の辛になった。意味は甲骨文字から十干の8番目の「かのと」となる。さらに先のするどいことから転じて、からい・つらい意となる。
意味 (1)からい(辛い)。「辛党からとう」 (2)つらい。苦しい。「辛酸シンサン」「辛抱シンボウ」 (3)かのと(辛)。十干ジッカン(甲コウ・乙オツ・丙ヘイ・丁テイ・戊ボ・己キ・庚コウ・辛シン・壬ジン・癸キ)の8番目。「辛亥革命シンガイカクメイ」(辛亥の年の1911年、中国で起こった革命) (4)かろうじて。「辛勝シンショウ」
覚え方 たつ(立)とお(十)からし(辛)=唐辛子
十干の読み方(オンライン無料塾「ターンナップ」より)
参考 辛シンは部首「辛シン」になる。偏(左辺)や旁(右辺)に付き、刃物やからい意を表す。常用漢字で 部首も含めて3字、[新漢語林]で18字ある。常用漢字は以下のとおり。
辛シン(部首)
辞ジ・ことば(辛+舌の会意)
辣ラツ・からい(辛+束の会意)
イメージ
「刃物」(辛・梓・宰・滓)
音の変化 シン:辛 シ:梓・滓 サイ:宰
刃物
梓 シ・あずさ 木部
解字 「木+辛(刃物)」の会意形声。刃物で木を彫ったり、細工すること、またその木。また木工・大工の意ともなる。日本で「梓=あずさ」と呼ばれる木は、ノウゼンカズラ科のキササゲ(学名:Catalpa ovata)と、カバノキ科のミズメ(学名:Betula grossa)の二種類がある。
意味 (1)あずさ(梓)。ノウセンカズラ科の落葉高木であるキササゲ(楸)の別称。材は良質で印刷用の版木や器具制作に用いられる。「梓里シリ」(ふるさと。父母が子孫のために植えておいた梓があるところ)「桑梓ソウシ」(桑と梓があるふるさと。故郷)「梓宮シキュウ」(天子のひつぎ。梓の木で造る) (2)版木。また、彫った版木で印刷すること。「上梓ジョウシ」(図書を版木にきざむ。また、出版すること) (2)木工の職人。大工。「梓人シジン」(大工の棟梁や工匠)「梓匠シショウ」(大工)
(3)[国]あずさ(梓)。カバノキ科の落葉高木のミズメ(ヨグソミネバリ)。サリチル酸メチルを多く含み、枝を折ると独特のにおいがする。この臭いが和名(夜糞峰榛よぐそみねばり)の一部となっているそうである(ウィキペディア)。臭いが魔除けとなるためか、古くはこの木で梓弓を作った。「梓弓あずさゆみ」(①梓の丸木弓。巫女が霊を招くために使った道具の一つ。②古代の弓の材料。『延喜式(3巻:68条)』に「信濃國。梓弓百張」とあり梓で作った弓を献上していた) 「梓巫女あずさみこ」(東北地方等に分布する巫女) (4)地名。「梓川あずさがわ」(槍ヶ岳に源をもち長野県上高地の谷を経て松本盆地で奈良井川と合流し犀川となる)
梓弓(「みんぱくのオタカラ」より)
主に津軽地方のイタコが使用していた。
宰 サイ・つかさどる 宀部
解字 「宀(廟のたてもの)+辛(刃物)」の会意。祖先を祭る廟ビョウで刃物を用いて肉を切り、神にささげて祭事を取り仕切ること[字統]。
意味 (1)仕事をとりしきる。つかさどる(宰る)。「主宰シュサイ」「宰領サイリョウ」(管理監督する) (2)つかさ。取り仕切る人。「宰相サイショウ」
滓 シ・サイ・おり・かす 氵部
解字 「氵(水)+宰(肉を切る祭事)」の会意形声。宰は肉を切って神にささげる祭事で、滓は、その折に洗い流した水に沈んでいるかすをいう[字統]。
意味 おり(滓)。かす(滓)。水中の沈殿物。のこりかす。「沈滓チンシ」(沈殿したおり)「残滓ザンシ」(のこりかす)「垢滓コウシ」(垢あかと、かす)
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
解字 甲骨・金文とも、先のするどい刃物の象形で下が刃先。上が∇形と、その上に短い一が付く形があったが、篆文で短い一形になり、さらに下部にも一がついた。現代字は「立+十」の辛になった。意味は甲骨文字から十干の8番目の「かのと」となる。さらに先のするどいことから転じて、からい・つらい意となる。
意味 (1)からい(辛い)。「辛党からとう」 (2)つらい。苦しい。「辛酸シンサン」「辛抱シンボウ」 (3)かのと(辛)。十干ジッカン(甲コウ・乙オツ・丙ヘイ・丁テイ・戊ボ・己キ・庚コウ・辛シン・壬ジン・癸キ)の8番目。「辛亥革命シンガイカクメイ」(辛亥の年の1911年、中国で起こった革命) (4)かろうじて。「辛勝シンショウ」
覚え方 たつ(立)とお(十)からし(辛)=唐辛子
十干の読み方(オンライン無料塾「ターンナップ」より)
参考 辛シンは部首「辛シン」になる。偏(左辺)や旁(右辺)に付き、刃物やからい意を表す。常用漢字で 部首も含めて3字、[新漢語林]で18字ある。常用漢字は以下のとおり。
辛シン(部首)
辞ジ・ことば(辛+舌の会意)
辣ラツ・からい(辛+束の会意)
イメージ
「刃物」(辛・梓・宰・滓)
音の変化 シン:辛 シ:梓・滓 サイ:宰
刃物
梓 シ・あずさ 木部
解字 「木+辛(刃物)」の会意形声。刃物で木を彫ったり、細工すること、またその木。また木工・大工の意ともなる。日本で「梓=あずさ」と呼ばれる木は、ノウゼンカズラ科のキササゲ(学名:Catalpa ovata)と、カバノキ科のミズメ(学名:Betula grossa)の二種類がある。
意味 (1)あずさ(梓)。ノウセンカズラ科の落葉高木であるキササゲ(楸)の別称。材は良質で印刷用の版木や器具制作に用いられる。「梓里シリ」(ふるさと。父母が子孫のために植えておいた梓があるところ)「桑梓ソウシ」(桑と梓があるふるさと。故郷)「梓宮シキュウ」(天子のひつぎ。梓の木で造る) (2)版木。また、彫った版木で印刷すること。「上梓ジョウシ」(図書を版木にきざむ。また、出版すること) (2)木工の職人。大工。「梓人シジン」(大工の棟梁や工匠)「梓匠シショウ」(大工)
(3)[国]あずさ(梓)。カバノキ科の落葉高木のミズメ(ヨグソミネバリ)。サリチル酸メチルを多く含み、枝を折ると独特のにおいがする。この臭いが和名(夜糞峰榛よぐそみねばり)の一部となっているそうである(ウィキペディア)。臭いが魔除けとなるためか、古くはこの木で梓弓を作った。「梓弓あずさゆみ」(①梓の丸木弓。巫女が霊を招くために使った道具の一つ。②古代の弓の材料。『延喜式(3巻:68条)』に「信濃國。梓弓百張」とあり梓で作った弓を献上していた) 「梓巫女あずさみこ」(東北地方等に分布する巫女) (4)地名。「梓川あずさがわ」(槍ヶ岳に源をもち長野県上高地の谷を経て松本盆地で奈良井川と合流し犀川となる)
梓弓(「みんぱくのオタカラ」より)
主に津軽地方のイタコが使用していた。
宰 サイ・つかさどる 宀部
解字 「宀(廟のたてもの)+辛(刃物)」の会意。祖先を祭る廟ビョウで刃物を用いて肉を切り、神にささげて祭事を取り仕切ること[字統]。
意味 (1)仕事をとりしきる。つかさどる(宰る)。「主宰シュサイ」「宰領サイリョウ」(管理監督する) (2)つかさ。取り仕切る人。「宰相サイショウ」
滓 シ・サイ・おり・かす 氵部
解字 「氵(水)+宰(肉を切る祭事)」の会意形声。宰は肉を切って神にささげる祭事で、滓は、その折に洗い流した水に沈んでいるかすをいう[字統]。
意味 おり(滓)。かす(滓)。水中の沈殿物。のこりかす。「沈滓チンシ」(沈殿したおり)「残滓ザンシ」(のこりかす)「垢滓コウシ」(垢あかと、かす)
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。