<眼だけ出して頭におおいかぶせる> 冒 ボウ・おかす 曰部 mào・mò 目出し帽(販売広告から) 解字 金文から旧字まで「目(め)+冃ボウ(ずきん)」の会意形声。冃は頭衣(かぶりもの)で、冒ボウは、かぶりものから目だけ出している形。目だけ出したカブト(甲冑)をかぶって進む意から、周囲がみえず無頓着に行動する意となる[字統]。新字体は旧字の冃 ⇒ 日に変化した冒になった。
意味 (1)おかす(冒す)。無理にする。「冒険ボウケン」「感冒カンボウ」(冒(おか)されるのを感ずる。呼吸器系の炎症性疾患。かぜ。風邪)「流行性感冒リュウコウセイカンボウ」(インフルエンザ)(2)けがす。「冒涜ボウトク」(おかしてけがす)「冒名ボウメイ」(他人の姓名を偽ってなのる)(3)(一番上の頭にかぶることから)はじまり。「冒頭ボウトウ」(文章や言葉の初めの部分)
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目だけ出して頭に「かぶせる」(冒・帽・瑁)
音の変化 ボウ:冒・帽・瑁
かぶせる
帽 ボウ 巾部 mào
解字 「巾(ぬの)+冒(かぶせる)」の会意形声。頭をおおいかくす布で、かぶりものをいう。
意味 かぶりもの。ぼうし。「帽子ボウシ」「脱帽ダツボウ」「角帽カクボウ」(上部が角形の帽子。大学生の帽子とされることから大学生の俗称。
角帽(販売広告から)
瑁 ボウ・マイ 玉部 mào
解字 「王(玉)+冒の旧字(おおいかぶせる)」の会意形声。天子が諸侯を封じる時に、諸侯に授けた圭ケイという玉にぴったり符合するように作られ、天子の手許に残しておく玉の意。圭にかぶせる帽子のような玉の意を表す。
意味 (1)「瑁ボウ」。天子の持つ、しるしの玉。「珪瑁ケイボウ」(珪は天子が与える玉、瑁は天子が手元に残しておく玉で、有用な人材の意)(2)「玳瑁タイマイ」に使われる字。玳瑁とはウミガメ科のカメ。背中の甲(こうら)は黄色と黒褐色の斑紋が入り鼈甲ベッコウといい、装飾品の材料として珍重される。(3)人名。「蔡瑁サイボウ」(中国後漢末期の武将)
玳瑁タイマイ (「百度百科・玳瑁属」より) <紫色は常用漢字>
<関連音符>
曼 マン 日部 màn
解字 篆文は「冃ボウ(かぶりもの)+罒(横に描かれた目)+又(手)」の会意。ずきんを手でひいてかぶり、目(金文は目とマユを描く)だけ出している形。「かぶる(おおう)」が原義。現代字は、冃ボウ⇒日に変化した。字の構造は冒に又をつけた形である。
意味 本来の意味でなく、主に梵語の音訳語として使われる。「曼荼羅マンダラ」(多くの仏を模様のように描いた絵)「曼珠沙華マンジュシャゲ」(天上に咲くという花)
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「おおう」(曼・蔓・鰻・幔・鏝・鬘・饅・漫)
かぶりものをして目だけ出すことから「まわりが見えない」(慢)
音の変化 マン:曼・蔓・鰻・幔・鏝・鬘・饅・漫・慢
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