丑 チュウ・うし 一部
解字 手の指先に力を入れて曲げ、強くものをつかむ形の象形。甲骨・金文は手の指先を曲げた形。手にタテの線を入れた篆文の形をへて、現在の丑になった。もとの意味で使われず、十二支の二番目に仮借カシャ(当て字)され「うし」となったが、丑の音符を含む字は、「つかむ」イメージを持つ。
意味 (1)うし(丑)。十二支の第二。「丑寅うしとら」(十二支に方位を当てた時の、丑と寅の中間の方角で北東を指す)「丑三つ時うしみつどき」(真夜中)「丑紅うしべに」(寒の内[立春前の約30日]の丑の日に売る紅。昔は牛の形の容器に入れて売った。口中の荒れを防ぐといわれる。寒紅とも)
書き方 「ふのに(フノニ)で丑(うし)」
イメージ
「うし(仮借)」(丑)
「つかむ」(紐・鈕・羞・衄・狃)
「同音代替」(忸)
音の変化 チュウ:丑・紐・鈕 シュウ:羞 ジュウ:狃 ジク:衄・忸
つかむ
紐 チュウ・ニュウ・ひも 糸部
解字 「糸(よりいと)+丑(つかむ)」 の会意形声。より糸をつかんで結ぶこと。また、物を結んだり束ねたりする丈夫な組みひもをいう。
意味 (1)むすぶ。「紐帯チュウタイ」(二つを結びつけるもの)「紐情チュウジョウ」(心が結ばれる。かたい友情)「紐結チュウケツ」(むすぶ) (2)ひも(紐)。くみひも。物を束ねたり結ぶ太い糸。「靴紐くつひも」「紐解(ひもと)く」 (3)(印鑑のつまみにある穴に紐を通したことから)印のひも。転じて、印のつまみ。「亀紐キチュウ」(亀の形をした印のつまみ。=亀鈕)「蛇紐ダチュウ」(蛇の形をした印のつまみ=蛇鈕)
鈕 チュウ・つまみ・ボタン 金部
解字 「金(金属)+丑(つかむ)」 の会意形声。金属製のつかむもので取っ手をいう。また、玉鈕ギョクチュウ(玉製印のつまみ)から、印のつまみの意でも用いる。
意味 (1)つまみ(鈕)。とって。器物の突起部分。「環鈕カンチュウ」(環状になった銅鐸などの吊り手) (2)印のつまみ。「亀鈕キチュウ」(=亀紐)「蛇鈕ダチュウ」(=蛇紐) (3)ボタン(鈕)。「鈕子チュウシ」(ボタン)「鈕釦チュウコウ」(ボタン)
羞 シュウ・はじる 羊部
解字 甲骨文と金文は「羊(ひつじ)+又(て)」の形。羊を神に供物として手で差し出す形で、供物をすすめる、また貢ぎ物を納める意。篆文から「羊+丑(つかむ)」の形になった。祭事で羊を神にすすめ献ずること。のち、すべて神に薦めるものをいう。また、神に対して、お恥ずかしいものですが、薦めますの意から、はじる意となり、この意が多く使われる。
意味 (1)すすめる。食物を供える。「羞膳シュウゼン」(すすめそなえるごちそう) (2)はじる(羞じる)。はじらう。はじ。「羞恥シュウチ」「羞辱シュウジョク」(恥をかかせること)
覚え方 「ひつじ(羊)の(ノ)ふのに(フノ二)」で羞。ただし、羊は略体となる。
衄 ジク・はなぢ 血部
解字 「血(ち)+丑(つよくつかむ)」 の会意形声。鼻を強くつかまれ血が出ること。また、この行為でくじけること。
意味 (1)はなぢ(衄)。はなぢを出す。「衄血ジクケツ」(鼻血)「鼻衄ビジク」(鼻血) (2)くじける。やぶれる。「衄挫ジクザ」(くじけること。衄・挫とも、くじける意)「衄折ジクセツ」(折れくじける。失敗する)
狃 ジュウ・なれる・ならう 犭部
解字 「犭(いぬ)+丑(つかむ)」 の会意形声。犬をつかんで言うことをきかせること。犬が人になれる・ならう意となる。
意味 (1)なれる(狃れる)。 「狃恩ジュウオン」(恩になれて、ありがたいと思わない)「狃勝ジュウショウ」(勝ちになれる) (2)なれる。「狃習ジュウシュウ」(なれてならう)
同音代替
忸 ジク・ジュウ・はじる 忄部
解字 「忄(心)+丑(ジク)」の形声。ジクは恧ジク(はじる)に通じ、心ではじること。恧ジクは「而(やわらかい)+心」で、やわらかい心、すなわち感受性のある心⇒恥じらう⇒はずかしい意となる。因みに恥チも、「耳(やわらかい耳たぶ)+心」で、はずかしい意。
意味 はじる(忸じる)。はずかしく思う。引け目を感じる。「忸怩ジクジ」(はずかしく思うこと。忸も怩も、はじる意)「忸恨ジクコン」(はじてうらむ)
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
解字 手の指先に力を入れて曲げ、強くものをつかむ形の象形。甲骨・金文は手の指先を曲げた形。手にタテの線を入れた篆文の形をへて、現在の丑になった。もとの意味で使われず、十二支の二番目に仮借カシャ(当て字)され「うし」となったが、丑の音符を含む字は、「つかむ」イメージを持つ。
意味 (1)うし(丑)。十二支の第二。「丑寅うしとら」(十二支に方位を当てた時の、丑と寅の中間の方角で北東を指す)「丑三つ時うしみつどき」(真夜中)「丑紅うしべに」(寒の内[立春前の約30日]の丑の日に売る紅。昔は牛の形の容器に入れて売った。口中の荒れを防ぐといわれる。寒紅とも)
書き方 「ふのに(フノニ)で丑(うし)」
イメージ
「うし(仮借)」(丑)
「つかむ」(紐・鈕・羞・衄・狃)
「同音代替」(忸)
音の変化 チュウ:丑・紐・鈕 シュウ:羞 ジュウ:狃 ジク:衄・忸
つかむ
紐 チュウ・ニュウ・ひも 糸部
解字 「糸(よりいと)+丑(つかむ)」 の会意形声。より糸をつかんで結ぶこと。また、物を結んだり束ねたりする丈夫な組みひもをいう。
意味 (1)むすぶ。「紐帯チュウタイ」(二つを結びつけるもの)「紐情チュウジョウ」(心が結ばれる。かたい友情)「紐結チュウケツ」(むすぶ) (2)ひも(紐)。くみひも。物を束ねたり結ぶ太い糸。「靴紐くつひも」「紐解(ひもと)く」 (3)(印鑑のつまみにある穴に紐を通したことから)印のひも。転じて、印のつまみ。「亀紐キチュウ」(亀の形をした印のつまみ。=亀鈕)「蛇紐ダチュウ」(蛇の形をした印のつまみ=蛇鈕)
鈕 チュウ・つまみ・ボタン 金部
解字 「金(金属)+丑(つかむ)」 の会意形声。金属製のつかむもので取っ手をいう。また、玉鈕ギョクチュウ(玉製印のつまみ)から、印のつまみの意でも用いる。
意味 (1)つまみ(鈕)。とって。器物の突起部分。「環鈕カンチュウ」(環状になった銅鐸などの吊り手) (2)印のつまみ。「亀鈕キチュウ」(=亀紐)「蛇鈕ダチュウ」(=蛇紐) (3)ボタン(鈕)。「鈕子チュウシ」(ボタン)「鈕釦チュウコウ」(ボタン)
羞 シュウ・はじる 羊部
解字 甲骨文と金文は「羊(ひつじ)+又(て)」の形。羊を神に供物として手で差し出す形で、供物をすすめる、また貢ぎ物を納める意。篆文から「羊+丑(つかむ)」の形になった。祭事で羊を神にすすめ献ずること。のち、すべて神に薦めるものをいう。また、神に対して、お恥ずかしいものですが、薦めますの意から、はじる意となり、この意が多く使われる。
意味 (1)すすめる。食物を供える。「羞膳シュウゼン」(すすめそなえるごちそう) (2)はじる(羞じる)。はじらう。はじ。「羞恥シュウチ」「羞辱シュウジョク」(恥をかかせること)
覚え方 「ひつじ(羊)の(ノ)ふのに(フノ二)」で羞。ただし、羊は略体となる。
衄 ジク・はなぢ 血部
解字 「血(ち)+丑(つよくつかむ)」 の会意形声。鼻を強くつかまれ血が出ること。また、この行為でくじけること。
意味 (1)はなぢ(衄)。はなぢを出す。「衄血ジクケツ」(鼻血)「鼻衄ビジク」(鼻血) (2)くじける。やぶれる。「衄挫ジクザ」(くじけること。衄・挫とも、くじける意)「衄折ジクセツ」(折れくじける。失敗する)
狃 ジュウ・なれる・ならう 犭部
解字 「犭(いぬ)+丑(つかむ)」 の会意形声。犬をつかんで言うことをきかせること。犬が人になれる・ならう意となる。
意味 (1)なれる(狃れる)。 「狃恩ジュウオン」(恩になれて、ありがたいと思わない)「狃勝ジュウショウ」(勝ちになれる) (2)なれる。「狃習ジュウシュウ」(なれてならう)
同音代替
忸 ジク・ジュウ・はじる 忄部
解字 「忄(心)+丑(ジク)」の形声。ジクは恧ジク(はじる)に通じ、心ではじること。恧ジクは「而(やわらかい)+心」で、やわらかい心、すなわち感受性のある心⇒恥じらう⇒はずかしい意となる。因みに恥チも、「耳(やわらかい耳たぶ)+心」で、はずかしい意。
意味 はじる(忸じる)。はずかしく思う。引け目を感じる。「忸怩ジクジ」(はずかしく思うこと。忸も怩も、はじる意)「忸恨ジクコン」(はじてうらむ)
<紫色は常用漢字>
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