増補しました。
奄 エン・おおう・たちまち 大部
解字 金文は「イナズマの形(电=申シン)+大(人の正面形)」で、雷雲が人の頭上をおおう意。篆文は大が上にきた形で同じ意味を表す。たちまち・にわかの意も雷雲から由来する。奄を音符に含む字は、「おおう」「おおきい」イメージを持つ。
イナズマは、音符「申シン」を参照。
意味 (1)おおう(奄う)。「奄有エンユウ」(おおって自分のものにする)(2)(おおわれて)ふさがる。「奄奄エンエン」(息の絶え絶えであるさま=気息奄奄キソクエンエン)(3)たちまち(奄ち)。にわか。「奄然エンゼン」(にわかなさま・くらいさま)「奄忽エンコツ」(にわかなさま)(3)地名。「奄美あまみ」(鹿児島県南部の島、①奄美大島と、②奄美諸島がある)
イメージ
「おおう」(奄・掩・菴・庵・淹・晻・閹)
雷雲がおおう意から「おおきい」(俺)
音の変化 エン:奄・掩・淹・俺・閹 アン:菴・庵・晻
おおう
掩 エン・おおう 扌部
解字 「扌(て)+奄(おおう)」の会意形声。奄のおおう意を、手を付けて動詞化した字。
意味 (1)おおう(掩う)。おおいかくす。「掩蓋エンガイ」(おおい)「掩蔽エンベイ」(おおいかくす)「掩護エンゴ」[敵の攻撃から](味方をおおいまもる)(2)かばう。「掩護エンゴ」(かばい守る)(3)たちまち。にわか。「掩襲エンシュウ」(不意におそう)「掩撃エンゲキ」(不意打ち)
菴 アン・いおり 艸部
解字 「艸(草)+奄(おおう)」の会意形声。草で屋根をおおった粗末な小屋。
意味 (1)いおり(菴)。草ぶきの小屋。「菴舎アンシャ」(墓で喪に服する小屋)(2)雅号や屋号などに添える語。「不審菴フシンアン」(表千家の茶室)
庵 アン・いおり 广部
解字 「广(やね)+奄(おおう)」の会意形声。菴アン(いおり)の艸⇒广に変えた字で、同じく、いおりを表す。
意味 (1)いおり(庵)。茶室などの小さな家。「草庵ソウアン」「庵主アンシュ」「庵裏アンリ」(いおりの中)(2)仏を安置して住む家。「禅庵ゼンアン」(3)人名。「沢庵タクアン」(①江戸初期の臨済宗の僧。書画・俳諧・茶に通じた。②沢庵漬けの略。干した大根を糠ぬかと塩で漬けたもの。たくわんともいう。)
淹 エン・ひたす・いれる 氵部
解字 「氵(みず)+奄(おおう)」の会意形声。水でおおわれることから、ひたす意となる。また、(水が)とどまる、(水でおおわれて)ひろい意。日本では、ひたす意から、茶葉に浸してお茶などを「いれる」意で使う。
意味 (1)ひたす(淹す)。つける。「淹漬エンシ」(ひたす。淹も漬も、ひたす意)(2)とどまる。ひさしい。「淹滞エンタイ」(とどこおる)「淹留エンリュウ」(ひさしくとどまる)(3)ひろい。「淹通エンツウ」(ひろくゆきわたる)(4)[国](お茶などを)いれる(淹れる)。「お茶を淹れる」「コーヒーを淹れる」
晻 アン・くらい 日部
解字 「日(ひ)+奄(おおう)」の会意形声。日が雲におおわれてくらいこと。暗アンの同音代替字となる。
意味 くらい(晻い)。日が隠れてくらい。「晻晻アンアン」(くらいさま)「晻昧アンマイ」(①くらい。暗黒。②おろか)「晻世アンセイ」(暗い世の中)「晻曖アンアイ」(暗いさま)
閹 エン・(かんがん) 門部
解字 「門(もん)+奄(おおう)」の会意形声。門をおおう扉から、宮殿の門を守る役人の意。門番。門番は宮廷で罪を犯して刑罰(宮刑)を受けた男子が行ったので、宮刑(去勢される)を受けた宦官の意となる。「史記」の編纂で知られる司馬遷は漢の武帝の怒りをかい宮刑に処せられ宦官となったが執筆をつづけ史記を完成させた。
意味 (1)宮廷の門を守る門番。「閹謁エンエツ」(門番の取り次ぎ)(2)かんがん。宦官。去勢(生殖器をとる)された男子。「閹割エンカツ」(生殖器をとる)「閹官エンカン」(宦官として宮中に仕える者。=閹宦エンカン。閹人エンジン)「閹尹エンイン」(宦官を管理する官)(3)おおう。かくす。「閹然エンゼン」とは、本心・本性をおおいかくし、人に迎合するさま。(孟子「尽心・下」)
罨 アン・エン・あみ 罒(网)あみ
解字 「罒(网あみ)+奄(おおう)」の会意形声。网あみでおおうこと。
意味 (1)あみ(罨)。おおかぶせて魚や鳥をとらえるあみ。(2)おおう。上からかぶせる。「罨法アンポウ」(布で患部を冷やしたり温めたりする治療方法)「冷罨レイアン」(冷たい布でおおう)「斜罨シャアン」(傾斜地をおおう)
おおきい
俺 エン・アン・おれ イ部
解字 「イ(人)+奄(大きい)」の会意形声。大きな人。自称に用いる。
意味 (1)おれ(俺)。われ。自分の俗称。「俺達おれたち」「俺流おれりゅう」「俺們アンメン」(おれたち)(2)おおきい。ゆたか。
<紫色は常用漢字>
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奄 エン・おおう・たちまち 大部
解字 金文は「イナズマの形(电=申シン)+大(人の正面形)」で、雷雲が人の頭上をおおう意。篆文は大が上にきた形で同じ意味を表す。たちまち・にわかの意も雷雲から由来する。奄を音符に含む字は、「おおう」「おおきい」イメージを持つ。
イナズマは、音符「申シン」を参照。
意味 (1)おおう(奄う)。「奄有エンユウ」(おおって自分のものにする)(2)(おおわれて)ふさがる。「奄奄エンエン」(息の絶え絶えであるさま=気息奄奄キソクエンエン)(3)たちまち(奄ち)。にわか。「奄然エンゼン」(にわかなさま・くらいさま)「奄忽エンコツ」(にわかなさま)(3)地名。「奄美あまみ」(鹿児島県南部の島、①奄美大島と、②奄美諸島がある)
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「おおう」(奄・掩・菴・庵・淹・晻・閹)
雷雲がおおう意から「おおきい」(俺)
音の変化 エン:奄・掩・淹・俺・閹 アン:菴・庵・晻
おおう
掩 エン・おおう 扌部
解字 「扌(て)+奄(おおう)」の会意形声。奄のおおう意を、手を付けて動詞化した字。
意味 (1)おおう(掩う)。おおいかくす。「掩蓋エンガイ」(おおい)「掩蔽エンベイ」(おおいかくす)「掩護エンゴ」[敵の攻撃から](味方をおおいまもる)(2)かばう。「掩護エンゴ」(かばい守る)(3)たちまち。にわか。「掩襲エンシュウ」(不意におそう)「掩撃エンゲキ」(不意打ち)
菴 アン・いおり 艸部
解字 「艸(草)+奄(おおう)」の会意形声。草で屋根をおおった粗末な小屋。
意味 (1)いおり(菴)。草ぶきの小屋。「菴舎アンシャ」(墓で喪に服する小屋)(2)雅号や屋号などに添える語。「不審菴フシンアン」(表千家の茶室)
庵 アン・いおり 广部
解字 「广(やね)+奄(おおう)」の会意形声。菴アン(いおり)の艸⇒广に変えた字で、同じく、いおりを表す。
意味 (1)いおり(庵)。茶室などの小さな家。「草庵ソウアン」「庵主アンシュ」「庵裏アンリ」(いおりの中)(2)仏を安置して住む家。「禅庵ゼンアン」(3)人名。「沢庵タクアン」(①江戸初期の臨済宗の僧。書画・俳諧・茶に通じた。②沢庵漬けの略。干した大根を糠ぬかと塩で漬けたもの。たくわんともいう。)
淹 エン・ひたす・いれる 氵部
解字 「氵(みず)+奄(おおう)」の会意形声。水でおおわれることから、ひたす意となる。また、(水が)とどまる、(水でおおわれて)ひろい意。日本では、ひたす意から、茶葉に浸してお茶などを「いれる」意で使う。
意味 (1)ひたす(淹す)。つける。「淹漬エンシ」(ひたす。淹も漬も、ひたす意)(2)とどまる。ひさしい。「淹滞エンタイ」(とどこおる)「淹留エンリュウ」(ひさしくとどまる)(3)ひろい。「淹通エンツウ」(ひろくゆきわたる)(4)[国](お茶などを)いれる(淹れる)。「お茶を淹れる」「コーヒーを淹れる」
晻 アン・くらい 日部
解字 「日(ひ)+奄(おおう)」の会意形声。日が雲におおわれてくらいこと。暗アンの同音代替字となる。
意味 くらい(晻い)。日が隠れてくらい。「晻晻アンアン」(くらいさま)「晻昧アンマイ」(①くらい。暗黒。②おろか)「晻世アンセイ」(暗い世の中)「晻曖アンアイ」(暗いさま)
閹 エン・(かんがん) 門部
解字 「門(もん)+奄(おおう)」の会意形声。門をおおう扉から、宮殿の門を守る役人の意。門番。門番は宮廷で罪を犯して刑罰(宮刑)を受けた男子が行ったので、宮刑(去勢される)を受けた宦官の意となる。「史記」の編纂で知られる司馬遷は漢の武帝の怒りをかい宮刑に処せられ宦官となったが執筆をつづけ史記を完成させた。
意味 (1)宮廷の門を守る門番。「閹謁エンエツ」(門番の取り次ぎ)(2)かんがん。宦官。去勢(生殖器をとる)された男子。「閹割エンカツ」(生殖器をとる)「閹官エンカン」(宦官として宮中に仕える者。=閹宦エンカン。閹人エンジン)「閹尹エンイン」(宦官を管理する官)(3)おおう。かくす。「閹然エンゼン」とは、本心・本性をおおいかくし、人に迎合するさま。(孟子「尽心・下」)
罨 アン・エン・あみ 罒(网)あみ
解字 「罒(网あみ)+奄(おおう)」の会意形声。网あみでおおうこと。
意味 (1)あみ(罨)。おおかぶせて魚や鳥をとらえるあみ。(2)おおう。上からかぶせる。「罨法アンポウ」(布で患部を冷やしたり温めたりする治療方法)「冷罨レイアン」(冷たい布でおおう)「斜罨シャアン」(傾斜地をおおう)
おおきい
俺 エン・アン・おれ イ部
解字 「イ(人)+奄(大きい)」の会意形声。大きな人。自称に用いる。
意味 (1)おれ(俺)。われ。自分の俗称。「俺達おれたち」「俺流おれりゅう」「俺們アンメン」(おれたち)(2)おおきい。ゆたか。
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