漢字の音符

漢字の字形には発音を表す部分が含まれています。それが漢字音符です。漢字音符および漢字に関する本を取り上げます。

音符「韭キュウ」<にら> と「蒜サン」<ひる>

2015年03月12日 | 漢字の音符
 キュウ・にら  韭部

解字 ニラの生えそろった形の象形。韮キュウの原字。ニラは枝分かれせず株から分立するので、この象形は少し違和感がある。中心から茎となる葉が分立するさまと考えたい。
意味 にら(韭)。ユリ科ネギ属の多年草。
参考 キュウは、部首「韭にら」になる。漢字の下部に付いてニラの意味を表す。この部首は非常に少なく主な字は、センしかない。センは音符となる。

イメージ 
 「にら」
(韭・韮・薤)
音の変化  キュウ:韭・韮  カイ:薤

にら
 キュウ・にら  艸部
解字 「艸(くさ)+韭(にら)」の会意形成。韭(にら)の意味を、艸をつけてはっきりさせた字。
意味 (1)にら(韮)。ユリ科ネギ属の多年草。葉は扁平で全体に強い臭気がある。日本各地で食用とされる。夏に紫色をおびた白い小花をつける。(2)地名。「韮山にらやま」(静岡県東部の伊豆半島に位置する町であったが、2005年に合併し伊豆の国市の一部になった)
 カイ・おおにら・らっきょう  艸部
解字 「歹ガツ(残った骨)+韮(にら)」の会意。歹ガツは残骨で、動物の腐って残った形を示す。そこに草木を植えると腐蝕した屍骸を肥料として、よく育つ意味になる。薤カイは、よく育ったニラ。オオニラをいう。
 ラッキョウ
意味 (1)おおにら(薤)。らっきょう(薤)。ユリ科ネギ属の多年草。葉は細く秋に花茎をだし、その先に球状に集まった小花をつける。地下の鱗茎は漬けて食用とする。辣韭ラッキョウ・辣韮ラッキョウとも書く。「薤漬らっきょうづけ」「薤露カイロ」(葬送のときの挽歌の曲名。オオニラの上に降りた朝露の意で、人生のはかないことのたとえを述べたもので王侯貴族の葬式に歌った)「薤露蒿里カイロコウリ」(ともに挽歌の曲名で、人生のはかないことをいう)

<参考 韭が含まれる音符>
 セン  韭部にら

解字 韭キョウはニラ。「人人(たくさんの人)+戈(ほこ)」は、戈で人をたくさん切る意。韱はニラのように細く切ること。
イメージ
 「ほそい」
(繊・籤) 
 「人人+戈」の意味である「たくさんの人を切る」(殲・懺)
音の変化  セン:繊・籤・殲  ザン:懺
音符「韱セン」 を参照。

    サン <算木>
 サン  示部

解字 横線二本とタテ線三本を描いた示と似た字を二組描いて、合計10本の算木を表した字。算木で数える・計算する意。算サンの古字。単独では使われない。
意味 かぞえる。計算する。(=算)

イメージ 「算木」(蒜)
音の変化  サン:蒜

算木
 サン・ひる  艸部
解字 「艸(くさ)+祘(算木)」の会意形声。算木のようにまとまって真っ直ぐ生える草。ネギ・ニンニク・ノビルなど、食用となるユリ科の多年草の総称。
 ノビル
意味 ひる(蒜)。ネギ・ニンニク・ノビルなどの総称。①ノビル。「野蒜のびる」。ユリ科の多年草。広く山野に自生し、春に細く長い葉が林立して伸びる。葉および鱗茎を食用にする。夏に紫色を帯びた白い花をつける。「小蒜こびる」(野蒜の別称) ②ニンニク。「大蒜にんにく」。ユリ科の多年草。ネギ・ニラなどと同属。西アジア原産といわれ「葫」とも書く。強い臭気があり鱗茎は数個の小球から成り、食用・薬用となる。  

    バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。




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