漢字の音符

漢字の字形には発音を表す部分が含まれています。それが漢字音符です。漢字音符および漢字に関する本を取り上げます。

音符「盈エイ」<みちる>

2015年03月11日 | 漢字の音符
 エイ・みちる  皿部

解字 甲骨文は、たらい(皿)の中に人が入っている形。中の点は水で、人の下部に足が描かれている。金文で水がとれ足の上に一が入ったが膝を曲げる意か。篆文は、「人のかたち+足+皿」に変化した。この字は、水浴でなく、人がたらいの中で膝を曲げたとき、水が器に満ち溢れる意で用いられる。現代字は、「乃(ひと)+又(て)+皿」の盈エイとなった。本来なら足は「夊スイ」であるが、画数が少ない又で代用したものと思われる。※盈の甲骨文字・金文の出典は、「象形字典」http://vividict.com/WordInfo.aspx?id=3941
お知らせ 盈の甲骨文字・金文の出典は上記の「象形字典」ですが、現在はネット上に存在していません。他の字典では篆文からの書体が掲載されています。なお、金文の書体は、[字統]では「石鼓文」(戦国時代)として掲載され、[字源(中国)]では、ほぼ同じ書体が「春秋[戦国編]」として掲載されています。甲骨文は他の図書での記載はありませんので、別の字体を取り違えた可能性があります。甲骨文字は以上の点をご留意ください。
意味 (1)みちる(盈ちる)。みたす。あふれる。「盈盈エイエイ」(水が満ちるさま。また、女性の姿の美しい様子)「盈月エイゲツ」(満月)「盈満エイマン」(①いっぱいになること。②冨や権力がきわめて大きいこと)「欠盈ケツエイ」(欠ける事と、みちること) (2)あまる。「盈余エイヨ」(余剰)

イメージ 「みちる」 (盈・楹)
音の変化  エイ:盈・楹 
 
みちる
 エイ・はしら  木部
解字 「木(はしら)+盈(みちる)」の会意形声。太さが十分にある丸い柱をいう。
意味 (1)はしら(楹)。まるく太いはしら。母屋の正面にある柱。「楹棟エイトウ」(①柱と棟木。②国の重臣)「楹書エイショ」(遺言書。斉の宰相が柱に穴をあけ遺言をしまい子に残した故事から)(2)家屋の並びを数える語。

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