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漢字の音符

漢字の字形には発音を表す部分が含まれています。それが漢字音符です。漢字音符および漢字に関する本を取り上げます。

音符 「鹵ロ」 <袋にいれた塩> と 「滷ロ」

2023年07月12日 | 漢字の音符
  鹵ロの解字を改めました。
 ロ・しお  鹵部

解字 甲骨文字は袋に塩を入れた状態を表しており、①しお(塩)、②祭祀名、③地名またはその長、の意味がある[甲骨文字辞典]。金文は全体が丸みを帯びた形になり、篆文は四角になり上にトがつき、現代字は鹵になった。意味は塩および塩分を含んだ土地などを表す。
意味 (1)しお(鹵)。天然の塩。しおち。塩分を含んだ土地。「鹵田ロデン」(塩分を含むやせ地)「沢鹵タクロ」(地下水に塩分があって、植物のはえない土地) (2)(やせ地にすむ人をさげすんで)おろか。間抜け。質があらい。「鹵莽ロモウ」(①塩分を含んだ土地と草深い野原。土地の荒れ果てていること。②軽率で不用心。粗略。)「粗鹵ソロ」(粗末で役に立たない) (3)(貴重な塩を)うばう。「鹵獲ロカク」(敵の軍用品などを奪い取る)

イメージ 「しお」(鹵・滷)
音の変化  ロ:鹵・滷

し お
 ロ  氵部
解字 「氵(みず)+鹵(しお)」の会意形声。鹵(しお)から垂れてくる水の意で、にがりをいう。また、塩からい水の意。以前の日本の塩は海水から作っていたため精選されてない塩はベタベタしていた。この塩を円錐形の籠(塩入れ籠・塩手籠)に入れて吊るしておくと苦汁(にがり)が垂れてくるので下に皿をおいて受けた。

塩取り籠(塩入れ籠・塩手籠)(「竹虎四代目がゆく」より)
意味 (1)にがり。苦汁とも書く。「滷水にがり」(①原塩の貯蔵中に湿気を吸って溶けてくる苦味のある液。②海水を煮つめ製塩した後に残る母液)。(2)しおからい水。(3)濃い汁につけた食品。「茶滷チャロ

<参考>
塩[鹽] エン・しお  土部
解字 旧字は、「鹵(塩を袋に入れた形の象形:しお)+監(水かがみのうつわ)」の会意形声。うつわの中に塩田で濃くした海水を入れて煮つめて作る塩。新字体は、から臣を取り、さらに鹵⇒口に略したものに、土へん(塩を含んだ塩田の土)を加えた。鹵は塩を袋に入れた形。煮つめて作る塩を表す字が鹽エンである。

濃い海水を煮つめてつくる塩(中国ネットから。原サイトなし)
意味 (1)しお(塩)。「塩田エンデン」「食塩ショクエン」(2)塩素。「塩酸エンサン
音符「監カン」を参照。

    バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。






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