迸ホウ・胼ヘンを追加しました。
并[幷] ヘイ 干部
解字 「人人+二」の会意。人がつきしたがう形の从ジュウに二を加えて横につないだ形。あわせる・ならぶ意を表わす[字統]。新字体で「并」の形に変化する。現在、パソコンでは各字の旧字がでないので、すべてに「并」を使います。
意味 あわせる(并せる)。ならぶ(并ぶ)。
イメージ
「あわせる」(并・併・餅・絣・迸・胼・拼)
「ならぶ」(屏・塀・瓶・駢)
音の変化 ヘイ:并・併・餅・屏・塀 ヘン・ベン:駢・胼 ホウ:絣・迸・拼 ビン:瓶
あわせる
併 ヘイ・あわせる イ部
解字 「人(ひと)+并(あわせる)」の会意形声。人をさらに加えて并(あわせる)の意味を強めた。
意味 (1)あわせる(併せる)。「合併ガッペイ」「併合ヘイゴウ」 (2)ならぶ。「併発ヘイハツ」
餅 ヘイ・もち 食部
解字 「𩙿(食が偏にきた形)+并(あわせる)」の会意形声。小麦粉や米粉などをこね合わせて焼いたり蒸した食品。日本ではもち米を蒸して搗いた食品をいう。新指定の常用漢字で、𩙿⇒飠にしても可。
意味 (1)小麦粉などをこねて焼いたり蒸した食品。「月餅ゲッペイ」(小麦粉などを材料にした中国風の焼き菓子)「煎餅センベイ」「画餅ガヘイ」 (2)[国]もち(餅)。もち米を蒸して搗いた食品。「鏡餅かがみもち」「菱餅ひしもち」
絣 ホウ・ヒョウ・かすり 糸部
解字 「糸(いと)+并(あわせる)」の会意形声。日本では、あらかじめ染め分けた糸をあわせて織る織物の意味でつかう。本来の意味は多様性があり、日本ではほとんど使われない。
意味 (1)きぬ。無地のきぬ。 (2)わた(綿)。 (3)つぐ。続く。 (4)[国]かすり(絣)。絣糸(かすりいと)、すなわち前もって染め分けた糸を経糸(たていと)、や緯糸(よこいと、ぬきいと)、またはその両方に使用して織り上げる文様。また、かすり模様のある織物。飛白とも書く。「織絣おりがすり」「染絣そめがすり」(染めの技法で飛白(かすり)を表現したもの)
迸 ホウ・とばしる 辶部
解字 「辶(すすむ)+并(あわせる)」の会意形声。あわせ出ること。勢いよく出る意となる。新字体でないため二点しんにょう。
意味 (1)とばしる(迸る)。とばしり(迸り)。ほとばしる。勢いよく飛び散る。「迸発ホウハツ」(勢いよく発する)「迸出ホウシュツ」(ほとばしり出る。わきでる)「迸散ホウサン」 (2)とばちり(迸り)。とばっちり(迸り)。
胼 ヘン・ベン 月部にく
解字 「月(にく・皮ふ)+并(あわせる)」の会意形声。手や足の皮膚が重なったように厚くなること。「たこ」をいう。
意味 たこ(胼)。まめ。「胼胝ヘンチ・たこ」「胼手胼足ヘンシュヘンソク」(手足がたこだらけである。長期にわたるつらい労働)
拼 ホウ・ヒョウ 扌部 pīn
解字 「扌(て)+并(あわせる)」の会意形声。手であわせること。くくってまとめること。
意味 (1)くくってまとめる。つなぎあわせる。「拼版ホウハン」(版をくむ。組版をする)「拼音ホウオン・ピンイン(pīnyīn)」(子音と母音をローマ字でつなぎあわせて発音記号としたもの。現代中国語の発音をローマ字で表記したもの)(2)ひたすらにやる。「拼命ホウメイ」(命がけ)
ならぶ
屏 ヘイ・ビョウ・おおう 尸部
解字 「尸(居の略形:すまい)+并(ならぶ)」の会意形声。住居の中や周りにならんで、おおうものの意で衝立やへいを言う。また、おおう・(おおいの中に)ひきこもる意となる。
意味 (1)へい。かきね。(2)おおう(屏う)。かくす。ふせぐ。ついたて。「屏風ビョウブ」(室内に立てる風よけ、また仕切り)(3)(へいの中に)ひきこもる。しりぞく(屏く)。「屏居ヘイキョ」(①家にひきこもる。②世の中からしりぞく)「屏息ヘイソク」(息をひそめる。おそれ縮こまる)「屏語ヘイゴ」(ひそひそ話)
塀 ヘイ 土部
解字 「土(つち)+屏(へい)」の会意。土のへいの意。土塀だけでなく、ひろく囲い・垣根を意味する。
意味 へい(塀)。土べい。家や敷地の囲いとして設けたへい。「土塀ドベイ」「板塀いたべい」
瓶 ビン 瓦部
解字 「瓦(=瓦器。かわらけ)+并(ならぶ)」の会意形声。もと二つ並べて神にそなえる瓦器。また二つならべて上下させる井戸つるべ。のち、単に水をくむ器や、液体を入れる小口の容器の意となった。
意味 (1)かめ。「酒瓶シュビン」 (2)とっくり型の容器。「花瓶カビン」 (3)井戸つるべ。「釣瓶つるべ」 (4)[国]びん(瓶)。湯を沸かす器。「土瓶ドビン」「鉄瓶テツビン」
駢 ヘン・ベン・ならぶ 馬部
解字 「馬(うま)+并(ならぶ)」の会意形声。二頭の馬をならべて車につけることから、ならぶ意となる。
意味 ならぶ(駢ぶ)。ならべる。つらなる。「駢肩ヘンケン」(肩をならべる)「駢文ベンブン」(ならぶ文で対句のこと。対句を基本とする文体をいう)「四六駢儷体シロクベンレイタイ」(駢も儷も、ならぶ意でここでは対句のこと。四字および六字の対句を基本とした文体。=駢儷体)
<紫色は常用漢字>
お知らせ
主要な漢字をすべて音符順にならべた、『音符順 精選漢字学習字典 ネット連動版』石沢書店(2020年)発売中です。
并[幷] ヘイ 干部
解字 「人人+二」の会意。人がつきしたがう形の从ジュウに二を加えて横につないだ形。あわせる・ならぶ意を表わす[字統]。新字体で「并」の形に変化する。現在、パソコンでは各字の旧字がでないので、すべてに「并」を使います。
意味 あわせる(并せる)。ならぶ(并ぶ)。
イメージ
「あわせる」(并・併・餅・絣・迸・胼・拼)
「ならぶ」(屏・塀・瓶・駢)
音の変化 ヘイ:并・併・餅・屏・塀 ヘン・ベン:駢・胼 ホウ:絣・迸・拼 ビン:瓶
あわせる
併 ヘイ・あわせる イ部
解字 「人(ひと)+并(あわせる)」の会意形声。人をさらに加えて并(あわせる)の意味を強めた。
意味 (1)あわせる(併せる)。「合併ガッペイ」「併合ヘイゴウ」 (2)ならぶ。「併発ヘイハツ」
餅 ヘイ・もち 食部
解字 「𩙿(食が偏にきた形)+并(あわせる)」の会意形声。小麦粉や米粉などをこね合わせて焼いたり蒸した食品。日本ではもち米を蒸して搗いた食品をいう。新指定の常用漢字で、𩙿⇒飠にしても可。
意味 (1)小麦粉などをこねて焼いたり蒸した食品。「月餅ゲッペイ」(小麦粉などを材料にした中国風の焼き菓子)「煎餅センベイ」「画餅ガヘイ」 (2)[国]もち(餅)。もち米を蒸して搗いた食品。「鏡餅かがみもち」「菱餅ひしもち」
絣 ホウ・ヒョウ・かすり 糸部
解字 「糸(いと)+并(あわせる)」の会意形声。日本では、あらかじめ染め分けた糸をあわせて織る織物の意味でつかう。本来の意味は多様性があり、日本ではほとんど使われない。
意味 (1)きぬ。無地のきぬ。 (2)わた(綿)。 (3)つぐ。続く。 (4)[国]かすり(絣)。絣糸(かすりいと)、すなわち前もって染め分けた糸を経糸(たていと)、や緯糸(よこいと、ぬきいと)、またはその両方に使用して織り上げる文様。また、かすり模様のある織物。飛白とも書く。「織絣おりがすり」「染絣そめがすり」(染めの技法で飛白(かすり)を表現したもの)
迸 ホウ・とばしる 辶部
解字 「辶(すすむ)+并(あわせる)」の会意形声。あわせ出ること。勢いよく出る意となる。新字体でないため二点しんにょう。
意味 (1)とばしる(迸る)。とばしり(迸り)。ほとばしる。勢いよく飛び散る。「迸発ホウハツ」(勢いよく発する)「迸出ホウシュツ」(ほとばしり出る。わきでる)「迸散ホウサン」 (2)とばちり(迸り)。とばっちり(迸り)。
胼 ヘン・ベン 月部にく
解字 「月(にく・皮ふ)+并(あわせる)」の会意形声。手や足の皮膚が重なったように厚くなること。「たこ」をいう。
意味 たこ(胼)。まめ。「胼胝ヘンチ・たこ」「胼手胼足ヘンシュヘンソク」(手足がたこだらけである。長期にわたるつらい労働)
拼 ホウ・ヒョウ 扌部 pīn
解字 「扌(て)+并(あわせる)」の会意形声。手であわせること。くくってまとめること。
意味 (1)くくってまとめる。つなぎあわせる。「拼版ホウハン」(版をくむ。組版をする)「拼音ホウオン・ピンイン(pīnyīn)」(子音と母音をローマ字でつなぎあわせて発音記号としたもの。現代中国語の発音をローマ字で表記したもの)(2)ひたすらにやる。「拼命ホウメイ」(命がけ)
ならぶ
屏 ヘイ・ビョウ・おおう 尸部
解字 「尸(居の略形:すまい)+并(ならぶ)」の会意形声。住居の中や周りにならんで、おおうものの意で衝立やへいを言う。また、おおう・(おおいの中に)ひきこもる意となる。
意味 (1)へい。かきね。(2)おおう(屏う)。かくす。ふせぐ。ついたて。「屏風ビョウブ」(室内に立てる風よけ、また仕切り)(3)(へいの中に)ひきこもる。しりぞく(屏く)。「屏居ヘイキョ」(①家にひきこもる。②世の中からしりぞく)「屏息ヘイソク」(息をひそめる。おそれ縮こまる)「屏語ヘイゴ」(ひそひそ話)
塀 ヘイ 土部
解字 「土(つち)+屏(へい)」の会意。土のへいの意。土塀だけでなく、ひろく囲い・垣根を意味する。
意味 へい(塀)。土べい。家や敷地の囲いとして設けたへい。「土塀ドベイ」「板塀いたべい」
瓶 ビン 瓦部
解字 「瓦(=瓦器。かわらけ)+并(ならぶ)」の会意形声。もと二つ並べて神にそなえる瓦器。また二つならべて上下させる井戸つるべ。のち、単に水をくむ器や、液体を入れる小口の容器の意となった。
意味 (1)かめ。「酒瓶シュビン」 (2)とっくり型の容器。「花瓶カビン」 (3)井戸つるべ。「釣瓶つるべ」 (4)[国]びん(瓶)。湯を沸かす器。「土瓶ドビン」「鉄瓶テツビン」
駢 ヘン・ベン・ならぶ 馬部
解字 「馬(うま)+并(ならぶ)」の会意形声。二頭の馬をならべて車につけることから、ならぶ意となる。
意味 ならぶ(駢ぶ)。ならべる。つらなる。「駢肩ヘンケン」(肩をならべる)「駢文ベンブン」(ならぶ文で対句のこと。対句を基本とする文体をいう)「四六駢儷体シロクベンレイタイ」(駢も儷も、ならぶ意でここでは対句のこと。四字および六字の対句を基本とした文体。=駢儷体)
<紫色は常用漢字>
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しかし、この字は中国語を学ぶ人にとっては、漢字の発音を表記するローマ字記号として必須な文字です。私も中国語を学習する一人として、耳慣れた言葉です。御要望がありましたのをきっかけにして、掲載したいと思います。しばらくお待ちください。
拼ホウを加えました。中国語の発音記号をなぜピンインというか、今まで分かりませんでしたが、今回の解字でわかりました。