80分の1丁目16番地

ペーパースクラッチによる車両作りを中心に1/80、16.5ミリゲージの鉄道模型を楽しんでいます。

コーヒー・バラストの実験

2009-12-07 06:52:24 | レイアウト
レイアウト・ツアーでひと通りの様子をお目にかけたので、さすがに2巡目は何かしらの進展がないとカッコつかないよなーというわけで、シーナリーの基本となるバラストについて簡単な実験をしてみましたのでご報告します。

大昔のTMSに「コーヒーの出しガラをバラストにする」という技法が載っていました。確かに色、形、大きさなどを見るとそのままでもバラストに使えそうです。コーヒーを淹れるたびに何となく気になっていたので、使用感や問題点を検証してみました。

コーヒーガラを使うメリットは何といっても安上がりなことです。コーヒー自体はタダではありませんが、飲み終わった後の廃棄物利用と考えればコストはゼロですので、大規模なレイアウトではその効果は絶大です。
そしてもう一つは軽量なことです。既に台枠、路盤、レール込みの重量は1ブロック当たり5~6kgに達しているので、支柱や梁にかかる負担をできるだけ軽くするためにも魅力的な素材というわけです。
レイアウトの下敷きになって死ねればモデラー冥利に尽きるというものですが(笑)、未完成レイアウトの下敷きになるのはごめんです。

■圧倒的に軽いコーヒーガラ
というわけで、まずその重量から検証してみました。
コーヒーガラはよく天日で干して乾燥させます。乾燥が甘いと製作中にカビが生えるらしいので、ここはしっかり乾燥させます。


念には念をとオーブントースターに入れたら焦げてしまいました!(右側)
これではまるで石炭です。SLや機関庫がらみのシーナリーに使えるかも知れません。


市販のバラスト素材と比べてみます。今回比較対象にしたのはモーリンの「Rストーン(1/80バラスト ローカルⅡ)」で品番No.52Tという旧製品です。
さらに参考として手元にあったTOMIXの「シーナリーバラスト(ライトグレー)」(品番8133でこれも古い)も比較してみました。Nゲージ用なのであくまで参考です。


ワンカップ大関のフタにすり切り盛って重さを量ります。結果は次のとおりでコーヒーガラが群を抜いて軽いことがわかります。※カップ重量差し引き後
 ●コーヒーの出しガラ…10g
 ●Rストーン…36g
 ●シーナリーバラスト…23g(参考)
ちなみにRストーンの原材料はケイ砂(石英)だそうです。


■ふるいにかければそこそこ見られるかも
次に粒子の状態をみてみます。
市販品(Rストーン)はさすがに粒子が揃っていて、よく見ると1つの石の表面にも適度な凹凸があり非常に実感的なのがわかります。コーヒーガラより大きめです。
一方のコーヒーガラは粒子の大きさも形もバラバラですが、ふるいにかければ何とかなるかも知れません。

↑Rストーン粒子


↑コーヒーガラ粒子(黒いツブは焦げたもの)

■施工性は最悪!工夫が必要
次にテストレールを使って実際に撒いてみます。
左がコーヒー、右がRストーンです。さすがにこうして比べると「石」という感じではありませんが、粒子を揃えれば少しは近づけそうで期待が持てます。


教科書通り中性洗剤を混ぜた水で湿らせたあと、これまた中性洗剤を含ませたボンド水溶液をスポイトで滴下します。
と、ここで問題発生!
Rストーン(やTOMIXシーナリーバラスト)はさすがに研究された素材だけあって気持ちよく水溶液を吸い込んでくれるのに対し、コーヒーガラは見事にはじき返してきます。はじかれた液は軽いコーヒーガラを乗せて枕木上に流れたり、水滴のまま斜面を流れ落ちたりして手が付けられません。
湿らせ方が弱いかと思いさらに霧を吹いてもダメ、ボンド水溶液の洗剤を足してもダメで、最後には洗剤の泡だらけになってしまいました。。。


しかも時間とともに水を含んだコーヒー粒子は膨れ上がり、最後には枕木の間に盛り上がってしまうありさま。粒子の大きさはRストーンとほぼ同じか、それ以上になっています。


■実験結果と対策
というわけで実験の結果、安くて軽くて質感もそこそこだが施工性に問題あり、という結論が出ました。

粒子の問題については、直径1.2mm前後になるようなふるいにかけてやれば解決しそうですが、細かいのと大きいのを両方仕分ける手間が必要です。

ボンドの吸い込みの問題はちょっと難問です。コーヒー豆には相当量の油脂分が含まれています(だから美味しいのですが)。恐らくこの残留油脂分が多いために界面活性剤が効きにくく吸い込みが悪いのだと思います。
今のところ思いつく対策としてはこんな感じでしょうか。

案1.コーヒーを淹れた後もたっぷり湯を注いで完全な“出がらし”にする
案2.コーヒーガラを中性洗剤で洗ってから乾燥させる
案3.完全に乾燥させず生乾きのうちに散布する(防カビ剤を混ぜる必要あり?)
案4.初めからボンド水溶液に混ぜてペースト状にして盛り付ける

何か良いアイデアがあればお知らせ下さい。







コメント (2)
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