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いろは と ままはは

2015-04-18 14:00:59 | 日本語・古事記・歴史・日本人

子供の頃から長年抱き続けた『古事記』に関する疑問をいくつか解決して、『随想古事記』(カテゴリー・父の背負子(随想古事記))という記事にまとめました。年々そのことについての確信は深まるばかりで、自分の心のうちに父祖から受け継いだものをいくらかなりとも明らかにした安堵感を感じています。そしてもう一つ、これも長年抱き続けた言葉に関する疑問があるのですが、少しほぐれてくるような予感・・・・・を感じています。

 

その代表が、今日の題名『いろは と ままはは』・・・・・『いろは』とは自分を生んでくれた母、つまり実母、『ままはは』は現代も生きた言葉として使われているのですぐにわかる『継母』。古事記編纂時期に受け継がれて使われていた二つの言葉のうち、なぜ『いろは』は消えて『ままはは』は長い年月を生き残ったのか・・・・????『ままこ(継子)』もあります。多分これは、『いろは』が深刻な問題から消えたから?????・・・・・これも確かに疑問ですが、私の疑問の核心は別のところにあります。

『いろ』のつく言葉はたくさんありました。『いろせ』『いろえ』『いろど』『いろも』、時代が下っては『いろ』・・・・・『いろはにほへと・・・・・』、現代では『色気』・・・・・『いろ』とは情愛があることを意味する言葉のようです。古事記の時代『いろせ』は同じ母から生まれた兄、『いろえ』は同じ母から生まれた姉、『いろど』は同じ母から生まれた弟、『いろも』は同じ母から生まれた妹・・・・・

 

古事記に有名な『いろせ』の場面があります。神武天皇が大和をお立てになって十一代垂仁天皇の后サホビメはその実の兄君サホビコノミコトにこう質問をされます。『せ(背=夫)といろせ(兄)と、いずれかはし(愛し)き』、兄君を目の前にして后はつい『いろせぞ、はしき』とその勢いにおされて(?)答えておしまいになります。すると兄君は后に『この短刀で天皇を刺せ』・・・・・・

后の膝枕で休んでおられる天皇を刺そうとして、后がハラハラと涙を落とされ・・・・・その涙で目を覚まされた天皇が后にお尋ねになります。『なぜそのように泣いているのか』・・・・・堪らなくなられた后は事情をお話しになり、謀反の討伐を受ける兄君のもとへ皇子共々逃げて行かれ・・・・・ます。

 

これにはそのあとの天皇がサホビメに対する未練のお話しが続くのですが、ここでもう現代人には訳の分からない事情に落ち込んでしまいます。夫への愛と兄弟への愛と・・・・・どちらかを取るなどという同じ土俵の上に載せられるものなんでしょうか。実の兄から唆されたと言って、睦まじく暮らす夫を自分の膝の上で殺せるものなのでしょうか。

同母兄弟姉妹と異母兄弟姉妹・・・・・これは同じ家門(父親の姓)内ではあるが、『血族と他人』といった関係なのでしょうか?????そして同母血族は生命と運命の共同体なのでしょうか。『いろ』という理屈では割り切れない繋がりなのでしょうか。・・・・・・それで時代とともに『いろ』が恋しい男になり『いろも』が恋しい女になった・・・・・断罪されている軽王と軽大郎女のお話しがあるからには、禁じられている血族結婚の極みだったことは間違いありません。同母(いろは)共同体(?)は現代で言う『いろ』とは関わりのない関係なのか・・・・・それとも常にありうることだったのか・・・・・・

 

どちらにしろ、社会の構造が変わったのだと思う以外にないような気がします。大和王朝が『家門』の意識を少しづつ変えて、家族制度・結婚制度を整備していった・・・・・それが聖徳太子による氏姓制度の大改革・冠位十二階制度だったのだろうと思います。そうして今の私達がある・・・・・古い日本語を思うと、私達日本人の二千年、あるいは三千年・・・・・・あるいはもっと昔のワタツ人の一万年の経緯を思うことが出来るような気がします。

大変興味深いのですが、英語でも『エロティズム』と言いますよね。『エロティック』とも・・・・・これは『いろティズム』であり『いろティック』なのでは?????・・・・・それでこれはヨーロッパを席巻した犬族(イル、イリク)由来の『同族』を表す言葉ではと解釈しています?????少なくともカタカムナのワタツ族語ではない・・・・・ように思います。ですがかなり古い・・・・・アイウエオの五十音が使われるようになったのはついこの前のようなもの、長い間日本人には『いろは』が始まりであり、五十音(?)だったのですから。

 

 

 

 

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