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氏姓のこと・加地先生のご指摘

2018-09-19 11:49:13 | Weblog

加地先生のご本の中にもう一つ、私にとって大事なご指摘がありました。それは、このところ取り沙汰されている『夫婦別姓』についてです。加地先生は、「現在の日本人の生活に『姓』は無い。」とおっしゃっています。日本では正式な文書の署名欄に『姓』を記入するものはなく、『氏名』としか書かれていない・・・・・と。そうですよね、書式に『姓名』と書かれているものを見たことがありません。そして今でも夫婦は同氏を名乗っているが別姓であると、仰っています。要するにファミリーネームは『氏(うじ)』であって、『姓(かばね)』ではないのですね。私たち現代日本人は、大和朝廷の五族宥和の大和(だいわ)政策以来、特に多分明治維新で四民平等になって、本気で(?)平等化させてきたせいだと思いますが、すっかり『家門』を忘れ去ったようです(と言えないならば、忘れているかに見えます。) 私達は、すっかり『うじ』も『かばね』もうやむやにしてしまいました。

『かばね』・・・・・『姓』『加羽根』は一門の印で鳥の羽飾りで区別した、と川崎真治先生は仰っています。(誇り高いアメリカインディアンの酋長の羽飾りを思い出します。)部族の印や名前が『かばね』で、家門の結束を表しています。『姓』という漢字を充てたということは考えさせられます。『女扁』にはどういう意味があるのでしょうか。この大元がこれまで記事にしてきた人類部族のルーツ・『五色人』であり、それぞれトーテムを持ちトーテム名で区別されてきたことは既にご紹介した通りです(随想古事記前章・五色人の謎)。私達はもう一度自分の氏姓(うじかばね)について再考してみる必要があるように思います。これは人間の作った社会組織のアイデンティティーの問題だからです。氏神様とは何かということも再考する必要があると思います。そして、よく分かった上で、うやむやにするなり・・・・・取るべきは取り、捨てるものは捨てる、という作業をしてみるのが良いと思います。

 

 

以下は私の考えですが、『人間社会』という組織を作ったのは男ではないかと思います。動物も小さな群れ社会を作りますが、サル以外は雌が作るんです。サルはオスが君臨していますが、まあ家族社会に近いもので、家族を単位にした社会組織ではありません。人間の男たちはそれぞれの部族内に男の社会構造を作り、その男たちには(サルや類人猿時代から受け継いだ既成事実として)それぞれ女がいて家族(メスが作った群れ社会、あるいは男をボスとした猿のような社会)があった・・・・・その原始的な家族社会は最初の段階で男の社会組織に『家』『家門』として組み込まれたのだと思います。男だけでは社会は成り立ちませんから。男たちは獲得した地位と権利を保全するために様々な規律を作り、『姓』を男のものにして社会を守り維持してきた・・・・・それが同じ『姓』を持つ『家門』という集団として受け継がれてきたと思います。原始的ルーツが女系家族で、その名残が『姓』という字を当てたことにつながるのではと思います。どうやらイブがアダムの骨から生まれたというのは嘘で、イブはアダムの母だったようです。生物の本体はメスで、機能として分かれたのがオスだと思います。人間の文化も女から生まれて、それを発展させたのは男だということになると思います。

夫婦別姓が女性の権利の復権といって運動する人達もいますが、私はそうは思いません。このところの夫婦別姓は『家』の崩壊・秩序の崩壊を目論んで始まったことであり、結局は女の地位を貶め、女の財産を減らすことになるはずです。『家』というものは女の自由を奪ってもいますが、男の自由も制限しています。この不自由は『家』の女子供(本妻と嫡出子)の権利を守っているのです。重婚を禁じ家を守り嫡出子の権利を守ることは、『愛情』の問題ではなく『所有権』の問題から発展したのだと思います。50年しか生きない人間には『跡継ぎ』が『未来』なのですから。そしてこの『家』の主は原始の昔から『母と子』で『男(オス)と女(メス)』でないこと、それが人間文化のテーマにもっとも文化的ではなく理不尽な『愛』が浮上する理由だと思います。

 

 

余談:昨夜この記事を書いていたら、周囲で何かカサコソと音がします。何だろう?????ムカデの音でもないしネズミ(?)の音でもない・・・・・ゴキブリか!!!!!とじっと様子をうかがっていたら、なんと『カニ』が出てきました。それを追い回して捕まえたら、変なところに入り込むので、足には綿埃を付けて何ともユーモラス・・・・・紙袋に追い込んで外に出しました。ですが、どうして?????カニが家の中に?????珍騒動の種は尽きません。


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