鉄道模型とテルマエの部屋

懐かしい電車と模型と銭湯と

たいせつなひと

2013-05-10 22:13:54 | ヒビノニッキ
大切な友人が千葉を離れ故郷に帰っていく。

いや、友人と呼ばせていただくのはおこがましいのだが。
彼は14年前に千葉に移り住み、たまたま近場にあった小さな写真屋に立ち寄った。そこに勤めていたのが私だったのだ。

その頃の私は、生意気だった(誰ですか、今も変わらんとおっしゃるのはw)仕事も実績を出してたし、写真も自信があった。

「これ、Hさんが本当に撮りたい写真なんですか?」

彼がプリントしてくださったそれを見ながら、自分が言った言葉。
まずいよね~失礼だよねお客様にね。
事実なんだこいつと思われたそうだ。
でもなぜだか自分のことを気に入ってくださって、毎週のように店に寄ってくれた。
撮影された写真にアドバイスを求められ、自分の知識と能力の全てをかけてお話させていただいた。
明らかに写真の内容が変わられた。モチーフ選びと光の扱いが素晴らしかった。
お店のメンバーにもとても人気。
常連面で威張らないし、いつもにこやかで「Hさん、今週は来られないんですかぁ」と皆、口をそろえるほど。
私はお客様と友達付き合いはタブーにしているのだが、禁を解いた。
お互いに誘い合い都内の下町に猫を撮りに行ったり、地方にも素晴らしい路地を求めボチボチ。
時には泊まりで旅また旅。並んで撮影することはまずなく、現地でいつの間にかいなくなり、少し離れた小さな交差点でバッタリ、みたいな。

会社と対立して店長職を降ろされ飛ばされたときにくださった優しさを、私は決して忘れないだろう。
同様に彼の人生の中でいくばくかの彩りになれたなら光栄の極みである。

月末に彼は千葉を離れる。

かなり寂しい。だがきっと、下した決断が正しいことを信じている。
そしてそれをいつでも、どんな時も全力で応援していこう。

ありがとうございます。


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