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とだ*やすこの「いまここ@島本」

暮らしの豊かさ最優先!
ひとが主役のまちづくり!

大阪府島本町議会議員
とだ*やすこの活動報告

平成22年度一般会計に不認定

2011年10月10日 | とだ*やすこの町政報告
9月6日から始まった平成23年第4回定例会・9月議会が10月7日で終わりました。8月のお盆明けから一般質問の準備にとりかかりますから、約1月半の長丁場になります。9月議会は、主に決算を審議します。平成22年度は、一般会計歳入歳出をはじめ、すべての決算が認定されました。戸田は、一般会計には「不認定」という判断をしました。評価できる点、不認定とした理由、平成22年度一般会計歳入歳出決算、ならびに事業に対する考え方を述べます。

平成22年度は、島本町にとって町制70周年を記念する節目の年でした。サブプライムローン問題、リーマンショックに端を発した世界金融危機の影響から抜け出せないなか、東日本大震災が発生、世界史に残る東京電力・福島原子力発電所事故が起こりました。地震・大津波の被害に加えて、放射性物質の影響により、復興への道のりは険しいものになりました。国の財政が非常に厳しい局面を迎えているなか、島本町は、自ら財政を厳しく精査、健全化に向けて最大の努力をしなければなりません。「小さく、賢く、輝きながら成長する島本町」をめざし、さらなる行財政改革を、住民の理解を得て進めなければなりません。

不認定にした主な理由は、地権者を対象に発足した「まちづくり勉強会」のあり方です。事前の地権者アンケートでは、半数以上がJR島本駅西側農地区の市街化区域編入を望んでおられません。「まちづくり勉強会」での議論を待たずに、平成27年となる府の都市計画のスケジュールを待たずに、市街化区域に編入できるよう府に「保留区域」申請したこと。地権者のみなさんに申請の事実を公表せず、総合計画審議会においてもその事実に触れず、申請後半年近くたってから、府の公聴会の直前に報告しています。反対意見が述べられることを危惧、回避する意図があったと思われてもやむを得ない進め方であったと、戸田は考えています。

島本駅の西側農地区が、大阪府の定めた「農空間保全区域」であることも、戸田が一般質問で厳しく追求するまで説明していません。情報提供などが不十分かつ不誠実。町の姿勢は農地所有者に対する信義に背くものでした。

水無瀬川右岸の雨水を引き込み、高槻島本雨水幹線に接続、下流域に排出する工事が本年度中に行われます(補正予算に計上され、賛成しました)。1億円を超える大きな事業になります。ゲリラ豪雨、都市型水害の怖さをわたしたちは既に知っています。今回の雨水幹線接続工事は防災・減災の重要な一端を担うものですが、雨水幹線接続が完了した後は、若山台調整池が一定の役割を終えて不要になるという町の姿勢(売却、埋め立て、土地利用を計画)には賛成しかねます。

東日本大震災は、自治体の防災対策のあり方を根本的から見直すことを求めています。防災も大事ですが、自然災害を防ぐことは困難で、必要なのは「減災」対策です。減災とは、「被害の引き算」を「対策の足し算」で計ること。調整池を埋めて開発することは「対策の引き算」であり、災害からいかにして住民を守るかという視点を欠いています。現在、流域での影響調査を業者に委託していますが、その調査報告の結果をみないまま、必要がなくなるから売却して埋め立てて活用とする町の姿勢は問題であったと指摘しました。


もちろん、評価できる点はたくさんあります。自主財源である町税収入が減るなか、一昨年よりも財政状況は若干好転しています。退職手当債など、当初予算で予定していた借金を見送り、金利の高い公債を繰り上げ一括返済して、将来の負担を軽減しています。大幅な職員数の削減、年齢構成の激変という厳しい状況のなか、働く意欲の湧く職場、働きやすい職場への創意工夫、積極的な人材育成が行われていると評価しています。30代、40代職員の成長と活躍に期待しています。

国の補助金を活用して、水無瀬駒と中将棋関連の文化振興事業が行われました。中将棋とは、昭和初期まで、関西で指されていという92枚の駒で指す古将棋のひとつ、公家将棋といわれるものです。水無瀬神宮に水無瀬駒の中将棋が1セット(駒の欠けあり)のこっています。水無瀬駒は、作者のわかるもっとも古い駒であり、譲った先の記録である「将棋馬日記」には「徳川家康に50数組」など、武士、公家、僧侶などの名が記されており、歴史的にもたいへん貴重な資料になっています。

この秋、将棋コマ日記は島本町歴史文化資料館で公開されます(11月26日・27日)。10月30日には、水無瀬駒の複製駒を使って、水無瀬神宮客殿でプロの棋士による公開対局が行われます。内外から、静かに、熱い注目を集めています。

町制70周年にふさわしい記念事業を、全額国庫補助で行えたことは快挙でしたが、中長期的な取り組みには町の財政負担も一定必要であることを訴えました。水無瀬駒のふるさととして、今後、全国に眠っている貴重な資料や人脈が、おのずと本町に集まり、これを軸に様々な取り組みができるよう、戸田は、さらなる調査研究を行います。また、今後は、水無瀬神宮の重要文化財、茶室「灯心亭」の維持管理と活用が鍵になると考えます。高度成長期の右肩上がりの経済の残像を追うよりも、文化・歴史・観光・地域のつながりが自治体の活力になる成熟の時代にふさわしく、島本町の潜在能力を活かして魅力ある「まちづくり」に努めます。

国の安心こども基金を活用して、山崎保育園園舎を増築、待機児童を出さなかったことも素晴らしいことでした。新しい集合住宅、住宅地に若い方が転入されています。在宅子育て支援事業についても、第四保育所の相談室設置、出前保育の実施など、さらに充実した取り組みがされました。子育てしやすい環境は、これからの基礎自治体のまちづくりにおいて最重要課題。自然環境と交通の便利さを強みに、子育て支援の充実で、町をあげて若い世代を応援する島本町をめざします。

さて、町の重要課題である、し尿処理の委託をお願いする広域行政をめざす島本町に対して、高槻市の姿勢は、あくまでも合併の議論を含めた『高槻市・島本町広域行政勉強会』の再開でした。3月に出された「高槻市・島本町広域行政勉強会中間報告」では、両市町の現状比較と情報の共有ができたものの、最後に合併の効果額を示し「合併を重要な課題と認識している」と明記しました。去る9月12日には高槻市長名で「し尿処理の事務の受託は、現時点では困難」という回答がだされ、島本町の姿勢が逆に問われています。

最初のボタンのかけ間違いが、折々に、段階を経て、「合併」へと導かれていく危険性を示すものです。合併の議論も含めた勉強会再開を依頼した町長の責任は重く、民意の把握を怠り、議長が同席し、一部の議員だけが知らされているという状況で進めた結果です。議会がひとつになれない、まとまらないと口癖のように繰り返し、反対意見を封じ込める議員がいる一方で、議長が同席していたという事実を1年半もひた隠しにしていた・・・実は、議会の責任も重いのです。


画像は「着せ綿」を表現した和菓子
「着せ綿」は重陽の節句に長寿を祈願する宮中の行事
前夜、菊の花に綿を置き、露を綿に移して体を拭いたそうです

水無瀬神宮は「菊」にゆかりのある神宮
皇室の16花弁の菊の紋章は後鳥羽上皇のお好み
水無瀬神宮がその発祥地とされています