とだ*やすこの「いまここ@島本」

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大阪府島本町議会議員
とだ*やすこの活動報告

新庁舎建設工事費予算額は30億5千万円

2023年01月14日 | 島本町新庁舎を建設します
日本各地で発生した大規模地震により多くの自治体庁舎が被害を受けたこと、災害対応や行政機能に影響を与えたことなど、庁舎の耐震性能の重要性が再認識され、新庁舎建設は長く本町の最重要課題でした。

昨年12月1日、島本町新庁舎検察実施設計書(概要版)が公表されました。クリックしてご覧ください。
島本町新庁舎建設実施設計書(概要版)が完成しました

昨年の12月定例会議で議会は新庁舎建設費を賛成多数で可決しました。*大阪維新の会3名の議員が反対
現在、工事請負者の入札に関係する事務が担当課において進められています。
島本町新庁舎建設工事に係る制限付き一般競争入札を実施します

落札者との間で仮契約が結ばれた後、これに同意するか否かの議案が議会に上程されます(2月定例会議)。これを議会が可決すれば、いよいよ4月から工事がはじまり、約2年で新庁舎が完成することになります。

*この間、現庁舎前の駐車場(26台)、場合によってはふれあいセンター駐車場を活用していただくことになりますので、ご協力、ご理解ください。


第82号議案 令和4年度島本町一般会計補正予算(第7号)
債務負担行為:新庁舎建設工事30億5,000万円


建設工事費のほかに予定している支出
約6億6.000万円
主なものとして
工事監理費:約8,000万円
机等の備品購入:約2億300万円
古い備品の処分:1,200万円
引っ越し費用:約1,500万円
電話・LAN配線の移転:約3,700万円
電算機器類・システムの移転費用:約3億900万円
臨時駐車場賃借料:500万円等

庁舎建設に係る費用を合計すると約37億1,000万円の見込額です。*現時点での想定額

昨今、世界的な原材料及び原油等エネルギーの品不足や価格高騰の影響を受けて建設工事の資材価格が急激に高騰しています。特に鉄や木材の価格が高騰していることからアイアンショック、ウッドショックなどと呼ばれているようです。

新庁舎建設工事費も例外なくその影響を受け、今回示された新庁舎建設工事30億5,000万円は、当初予定(想定)していた金額よりも約20%程度の増額になっています。

公共事業において価格が合わずに入札不調が起きている事例もあり、予定価格の設定の際には可能な限り最新の単価を反映すること、資材の納期を鑑み適切な工事期間を設定するなど、入札不調対策がいつにもまして重要になります。

新庁舎建設は避けて通ることができない事業ですから、万が一入札が不調となった場合も、再度入札に向けて工事価格の精査を行い、新たな予算計上について議会で審議することになります。

令和2年度に新庁舎建設事業の内容を精査、見直した後の財政収支見通しでは、令和3年度末時点での積立基金残高は約31.1億円でした。実績は約48.6億円、見込みとの乖離は、その差約17.5億円に一定吸収されるというのが町の判断です(計算上の考え方として)。

また、ふるさと納税の増額収入も見込まれています。令和2年度の実績においては約2,600万円であったのに対して令和4年度予算現額においては約2億7000万円と大きく増えたのは担当課職員の創意工夫による成果です。

山田町長からは、資材価格の高騰がどれほど入札に影響するかについて懸念するところではあるが、早期に来庁者や職員の安全の確保、住民の生命財産を守る防災拠点としての機能を維持できるよう不退転の覚悟で取り組んでいきたいとの発言もありました。

山田町長の覚悟の発言と新庁舎イメージ図に、ようやく安堵のため息をつけたところですが、公共施設の建設におけるしくみと財政的な考え方に根本的な問題があるように思えて、どこかしら心がざわつくのはわたしだけでしょうか。

現在の役場庁舎は昭和47年11月の建設から約50年。たった50年で建替えなければならない高度成長期時代の日本の建築に対する疑問。地震でもろくも崩れ落ちる公共施設と都心の高層ビル建築技術、いったいどこが違うのかと改めて思うこの頃です。

*現在日時更新:UP後一部修正

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冬の寒さに華やかさを添える葉牡丹
紫と白のグラデーションが気に入りました
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新庁舎建設のデザイン設計 ~財政課題~

2022年07月28日 | 島本町新庁舎を建設します
つづき

島本町議会6月定例会議の一般質問では、新庁舎建設の省エネルギー対策と財政的課題をテーマにしました。町長執行部からは、財政上の課題があり、法律に基づき求められる性能は遵守する、との姿勢が示されました。

ご存知のように建設資材の価格が上昇しています。新庁舎建設をめぐる状況は、計画当初よりもさらに深刻になっています。以下、財政上の計画について、みなさんと数字を共有します。


新庁舎建設デザイン設計 ~財政的課題~
建築費用と財源について


「公共施設等適正管理推進事業債の市町村役場機能緊急保全事業」(長すぎて覚えられない!)を活用することになる。新庁舎建設の具体的な数字(検討段階での概算)を用いて詳細説明を。


市町村役場機能緊急保全事業は、充当率90%、交付税措置は起債対象経費の上限75%を活用することができる。この範囲で充当した地方債の元利償還金の30%を後年度の基準財政需要額に算入することとなる。

新庁舎の概算工事費として現在25億3,000万円を見込んでいる。設計委託及び工事監理費を加えた合計約26億8,000万円を概算事業費とすると、起債額23億8,200万円、交付税措置約5億9,500万円と見込んでいる。

借入れ条件を仮に期間20年、据置期間を1年、固定金利0.6%で試算すると、利子償還額は約1億5,400万円、元利償還額は約25億3,600万円を見込んでいる。

よって町が負担すべき額は、概算事業費26億8,000万円に利子償還額1億5,400万円を加えた28億3,400万円から交付税措置額5億9,500万円を除いた22億3,900万円となる予定。 *元利償還金の交付税措置は20年


市町村役場機能緊急保全事業の活用にあたっては、地方債で充当される以外の費用については基金の活用が基本とされているため、公共施設整備積立基金の活用を想定している。

当該基金の令和3年度末残高は約16億2,000万円(見込み)。概算事業費26億8,000万円から起債額23億8,200万円を差し引いた2億9,800万円の取り崩しを見込んでいる。 ここまでが質疑答弁の要約(文責:とだ)


世界情勢の変化により原油価格の高騰などから物価が上昇しています。その影響から建設費が高騰し、予定していた事業費内に収めることができるのかどうかが懸案事項になっています。

島本町の場合、建築費を可能な限り抑制するとして新庁舎建設の判断に至ったというこれまでの経緯があります。その基本姿勢は遵守されるべきですが、社会通念上、公共施設に求められる機能、省エネ対策への適切な仕様は守られなければなりません。


なにより新庁舎建設の大きな目的は耐震化、すなわち大きな地震への備えです。現庁舎は構造耐震指標、いわゆるIs値0.6未満の箇所が多くあり、震度6~7程度の地震で倒壊、崩壊する危険性があるとされています。

平成22年度の診断から10年以上の年月が経過していますから経年劣化が進んでいるでしょう。この間、最大震度6弱を観測した大阪北部地震も経験しました。*「島本町庁舎個別施設計画(役場編 令和3年12月)」

耐震機能については免震構造がより望ましいと私は主張してまいりましたが、経費の課題等から採用は見送られました。これはとても残念でしたが、高層建築ではないこと、メンテナンスにおける課題など、様々総合的に判断されてのことと納得しています。

まずは職員の命を守らなければなりません。住民の暮らしを支える日々の事務事業執行や、災害時の本拠地としての機能を果たせる庁舎でなければなりません。安全と安心の新庁舎に向けて引き続き慎重に事務を進めていただきたいという思いを新たにしています。

建築は、人と街をつくっていく重要な要素です。島本町は今、ようやく景観計画の策定に取り組んでおります。建築デザイン設計が町の景観形成の重要要素であることを示すよき手本となるよう求めて一般質問を終えました。


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祇園祭後祭・屏風祭
商家が有志で家財を披露されます
街が博物館になる京都の夏
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新庁舎建設のデザイン設計 ~省エネ対策~

2022年07月20日 | 島本町新庁舎を建設します

新庁舎の建設については、庁内各部局からの職員で構成されるプロジェクトチームが結成され、現在、秋の完成をめざして実施設計の関連事務が行われています。 *所管:総務部 

島本町議会6月定例会議の一般質問では、主に省エネルギー対策と財政的課題について問いました。町長執行部からは、財政上の課題があり、法律に基づき求められる性能は遵守する、との姿勢が示されました。


以下、質疑答弁を要約します(文責:とだ)。

新庁舎建設デザイン設計 ~省エネ対策~
省エネ対策の基本姿勢について。

ZEB(Net Zero Energy Building)の申請は見送るが、建築費用等を考慮し、総合的に判断した上で、仕様については可能な限りこれに近づける、このように理解している。改めて確認する。


ZEB等の認証を受けて国の補助制度を活用するには、認証費用が必要なこと、設計後に国庫補助採択の有無が判明するなど、財政面と事務処理手続きの両面において影響が大きい。

総事業費の範囲内で、費用対効果を比較検証しながら設備機器等の選定に配慮し、実施設計を進めている。*基本設計書概要版

電気需要の平準化(ピークカット)について

省エネ法(エネルギーの使用の合理化等に関する法律)には、東日本大震災を踏まえて電気需要のピークカットが内容に盛り込まれている。建築デザイン設計における省エネ対策においても、空調機能を抑制し、電力の消費量を平準化する、こういう発想が必要と考える。


災害時に備え、空調負荷を抑制し、電力消費量を平準化することや、電気に多く頼らない省エネ設計にするというのも重要な考え方の一つであると認識する。

しかしながら財政的な課題がある。新庁舎建設にあたっては、「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」に基づき、法律の定める基準に適合させたうえで、総事業費の範囲内において、省エネに配慮した建物にしたいと考えている。

壁面窓ガラスについて

外壁部分に壁面ガラスが多く採用されている。窓の多用は、ガラスとサッシの性質から熱の逃げ道となり、室内温度をコントロールするという点においては弱点となる。ここをどう補うかが、建築デザイン設計の課題になるのではないか。



自然採光によって省エネルギー化を進めることは、災害によって電力が遮断した際、災害拠点施設としての自立性と、昨日の持続性を高めることにつながるものと考える。

外壁の窓については、過度に面積が多くならないよう、一定抑制するとともに、バランスよく配置する必要があるものと認識し、面積を削減したものとなっている。
 
遮蔽の工夫について

平米当たりの熱貫流率の数値が異なるペアガラス、トリプルガラス、真空ガラスなど、様々な商品が既に流通している。費用対効果を考えるとペアガラスを採用することになるかと思う。

冬場の熱損失だけではなく、夏の日射熱の侵入をカットする工夫も必要と考える。直射日光を避けつつ、勤務時間の開放性を損なわない工夫が行われているか。


断熱性の高い複層ガラスを採用し、建物南側については遮熱性に優れたLow-E複層ガラス
を採用する。夏場における日射遮蔽の工夫としては、建物周囲に庇やバルコニー、ルーバーを設置することで建物内への日射抑制が図れるものと考える。
 
サッシの素材について

紫外線に弱いとされる樹脂を内側に使用して断熱性を高め、これにより結露を防ぐアルミ樹脂複合サッシが流通しはじめている。サッシの素材について費用対効果をしっかりと検証しているか。



アルミと樹脂を使用した複合サッシや、樹脂製サッシについては、近年、一般住宅において採用されているケースがあることは認識している。中高層建築物では採用されている事例は少ないものと聞き及ぶ(費用対効果)。

樹脂製や木製サッシと同様、複合サッシは一般的なアルミサッシより相当コスト増が見込まれる。新庁舎は、計画当初において役場庁舎に標準的に要請される限度の建物仕様とする方針、すなわち可能な限り総事業費を抑制する方針で進めている。    

***ここまで質疑答弁概略***

さらに、十分な断熱(素材、工法などの工夫)によって結露を防ぐことができれば、建物の劣化を抑制する効果が期待でき、また働く環境としても望ましいのでは?と考えを述べましたが、いずれもイニシャルコスト増になるため採用は困難との総務部長の答弁。

建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律に基づき求められる性能があるため、これに適合するよう実施設計を進め、財政的課題をクリアしつつ、法律に基づき求められる性能を遵守するとのことです。 *つづく


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滋賀県・豊郷町の役場庁舎
令和4年2月22日完成

「酒蔵探訪まちあるき」にて撮る
*第11回日本酒探訪会6月12日
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