一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

王位戦リーグの疑問

2015-05-19 01:13:10 | 将棋雑考
18日(月)は、王位戦紅白リーグの最終局が行われていたらしい。無料中継もあったらしいのだが、見逃した。
それで紅組の木村一基八段VS広瀬章人八段の棋譜を再生したら、木村八段が勝った。
どちらも3勝2敗になったのだが、驚いたのはここからだ。何と、紅組優勝が広瀬八段、木村八段は陥落になっていたのだ。
王位戦リーグは今期からシステムを少し変えて、順位を撤廃した。では同星の場合どう差を付けるかというと、直接対決の勝者に軍配が上がるらしい。
これが2人の場合ならスンナリ決まるが、問題は同星が3人になった場合で、これは三つ巴の星勘定が絡んできて、複雑なことになる。
そこでリーグ表を見ると、紅組は3勝2敗でフィニッシュが4人もいた。これでは複雑どころの話ではない、
王位戦ブログには想定の扱いが詳細に記されていたが、これが大変なスペースになっており、読む気が失せた。
それはさておき、面白くないのは木村八段だろう。木村八段は昨年の挑戦者である。本来ならリーグ第1位で、当然アドバンテージがあるとフンでいた(はずだ)。
それが妙なシステムの変更で、3勝したのにプレーオフにも進出できず、見る聞くなしに陥落とは、オイオイちょっと待ってくれよ、と文句のひとつも言いたくなるところであろう。

もう一方の白組はどうかというと、佐藤康光九段と菅井竜也六段が4勝1敗でフィニッシュ。直接対決は佐藤九段が勝っていたから、では佐藤九段の優勝かと思えば、これがプレーオフだというから分からない。いちいち確認はしないが、4勝以上ならプレーオフの規定なのだろうか。
とにかく、片やリーグ3勝ですんなり挑戦者決定戦に進出、片やリーグ4勝でプレーオフとは、ちょっとルールに穴が開きすぎてないか?

思えば今期は、女流王位戦も似たような悲喜劇があった(女流王位戦も、今期よりシステムを変えたのだ)。リーグ新参の中倉宏美女流二段が、3勝2敗の好成績を挙げたにもかかわらず、同じ星が3人いて、結局前期の成績まで遡られ、陥落の憂き目に遭ってしまったのだ。
前期までだったら、残留決定戦を戦えたのに、その機会もなく、陥落。
「それはないワ!!」
という宏美女流二段の嘆きが聞こえてくるようである。
主催社の思惑は何か。既存の結果を重視してプレーオフ等を省き、経費を少しでも削ろうとしたのでは、と私のような下司は勘繰る。しかしそれによって棋士から不満が出たら、角を矯めて牛を殺すことになりかねない。
とにかくこのシステムは、分かりづらい。これは最大の欠点である。
むかし棋聖戦が4人のミニリーグを4つ作って、16人から8人に絞ったことがあったが、意味があるとは思えなかった。
後のシステム改正のときにこれはなくなったが、経費削減の意味もあったとはいえ、賢明な判断だったと思う。
王位戦担当者氏にも、悪いことは言わない。来期からでも、システムを再考したほうがよい。それは簡単で、以前のように、リーグ残留者にアドバンテージを与えればいいのである。
コメント
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