一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

「第4期マイナビ女子オープン予選抽選会」に行く(前編)・確率3分の1

2010-05-20 01:14:23 | 将棋イベント
前日記したとおり、きのう19日(水)、東京・竹橋のパレスサイドビルで、「第4期マイナビ女子オープン・予選抽選会」が行われた。
マイナビの特設ページには、「午後4時までに集合」と書いてあったような気がしたので、3時に仕事を切り上げ、スーツに着替えて東京メトロに乗った。最近私が乗る電車は遅延が多いが、今回それは許されない。
東西線・竹橋駅直結のパレスサイドビル9階・マイナビルームに着いたのは3時45分ごろだった。
しかしフロアにはそれらしい人が10人程度しかいない。?? こんなに少ないのか? みんな、間違えて将棋会館に行っちゃったんじゃないか?
キツネにつままれたようにボーッとしていると、背後から「こんにちは」と声を掛けられる。振り返ると、松尾香織女流初段である。いま来たところらしい。相変わらず魅力的だが、どこか雰囲気が違う。
「あ、こんにちは」
「今年は6、7人なのよね…」
この数字の意味は分かった。LPSAで今期のマイナビ女子オープンへの参加が確定しているのは、まだ6名である。藤森奈津子女流四段、藤田麻衣子さんが引退し、ただでさえ少ない現役棋士がさらに少なくなったうえ、今期は「チャレンジカップ」の新設で、参加未定のLPSA女流棋士が5名にも上ったからだ。これは団体として深刻な事態である。
それはそうとして、松尾女流初段の雰囲気がやはりヘンだ。ずいぶんサッパリしている。…アッ!! 髪をバッサリ切ったのだ!!
「せ、先生、髪を短くされましたよね! そうだ、それを言わなくちゃいけないんだ! せ、先生よく似合いますよその髪型!!」
まるで取ってつけたような棒読みのセリフに松尾女流初段の反応は薄く、そのまま控室に入っていった。
しかし人が少ない。あっ、そうか。この先のマイナビルームBで、女流棋士会の「駒桜」イベントが行われている。そこに大量の将棋ファンがいるに違いない。しかし何人くらいいるのだろう。いてもせいぜい3、40人くらいだろうから、抽選会参加の倍率は低そうである。
バトルロイヤル風間さんがいらっしゃる。いい歳をして赤いTシャツを着ている。またそれが似合うのは、氏のキャラクターによるものだろう。
バトルさんには顔を覚えられているので、挨拶をする。バトルさんも抽選会に参加する気らしい。そういえば昨年も、バトルさんは一般客に交じって参加していた。私は愛想笑いをしつつも、
(あ、あんた将棋関係者だろ? な、内部の人間だろ?)
と心の中で毒づく。
3時55分、マイナビルームLの扉が開かれ、私たちは案内用紙と抽選番号をいただき、任意の椅子へ着席した。どうもその場で抽選の参加権を争うわけではないようだ。ちなみに私の番号は「11」だった。高校2年のときの出席番号が「11」だったので、この数字は嫌いではない。ちなみに私の名字が「おおさわ」なのにこれだけ出席番号が大きいのは、高校1年、2年と「男子クラス」だったせいである。
私は最後列右側中央へ座る。バトルさんはひとつ前席の一番右に座った。案内用紙を見ながら、
「古河さん、妊娠ですか」
と言う。静かな部屋にその声が響く。バトルさん、顔もでかいが、声もでかい。その左には、将棋ペンクラブ幹事のM氏が座った。
後ろを振り向くと、続々と人が入場している。かなりの数である。彼らは全部、「駒桜」イベントに出ていたのだろうか。私の後ろから、椅子が何列も増設される。いったい何人の愛棋家が集まったのだろう。120~130人くらいいそうである。これは大変な倍率になりそうだ。
エアポケットのように空いていた右ナナメ前の席に、加賀さやかさんが座る。チラッと見えた抽選番号は「97」である。彼女は受付終了である4時25分の直前に着席したから、参加人数もこんなものだろう。色紙をゲットできるのは34人だから、それでも3分の1の確率である。やはり今年は厳しい。
加賀さやかさんは周りの人にキャンディーを渡す。この気さくさは何だ。私にはとてもできない芸当である。しかし加賀さんも将棋界内部の人間ではないのか? なんで一般人に交じっているのだろう。どうも納得がいかない。抽選会に臨む者にとって、今年は参加人数が少ないに越したことはないのだ。
ここで今年の抽選のルールを説明しておく。抽選代わりに色紙を引くところなど、基本的には昨年と同じだが、今年は抽選箱から女流棋士が番号札を引き、それと同じ抽選番号を持った人が、色紙を選ぶ。
トーナメント表には前期同様12の枠があり、その右側から埋めてゆく。ちなみに昨年は「シード女流棋士」「女流棋士会女流棋士」「LPSA女流棋士」「フリー女流棋士・アマチュア招待選手」のカテゴリーに分かれていて、事前に好きなカテゴリーを選ぶことができた。今年は女流棋士会やLPSAの枠を取り払い、「予選シード選手11人」「予選一般出場選手21人」「主催者推薦アマチュア選手2人」のカテゴリーとなり、その選択権もなくなった。
以下の手順はこうだ。①枠の一番右は「シード」とあるから、もし自分の番号を引かれたら、前に出て「シード選手」の色紙の山から1枚を選ぶ。だから、もし山口恵梨子女流初段の色紙がほしいと思っても、彼女は「予選一般出場選手」に入っているので、その時点でアウト、ということになる。
つまり今回は、どのカテゴリーで自分の番号が引かれるかも重要なポイントなのだ。まさに命懸けの戦いといえる。
そして4時29分、雨宮知典・「週刊将棋」編集長の号令によって、ついに第4期マイナビ女子オープンの、予選抽選会が始まった。
(つづく)
コメント (4)
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