一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

金曜サロン・松尾香織女流初段⑩・マッカラン

2010-05-13 00:41:37 | LPSA金曜サロン
きょうは冒頭から、ある局面を記す。本当にお暇な方は次の1手をお考えいただきたい(平手・下手番)。

上手・松尾香織女流初段:1一香、1三歩、2三歩、3三桂、3六歩、4一金、4三歩、4五銀、5二飛、5五角、5六歩、6一金、6三歩、7一銀、7三歩、8一桂、8二王、8三歩、9一香、9三歩 持駒:なし
下手・一公:1七歩、1八飛、1九香、2五歩、2九桂、3五銀、4七歩、4八銀、6六歩、6七金、6八金、7六歩、7八玉、8七歩、8八角、8九桂、9七歩、9九香 持駒:歩2

3月12日のLPSA金曜サロン、夜は松尾女流初段の担当だった。
松尾女流初段にはもう何局も指導対局を教わっている。2年前私が金曜サロンに通い始めたころに角落ちで教えていただき、途中はこちらが敗勢になった。局後の感想戦でもプロの感覚を披露され、それいらい私は松尾女流初段を、心の姉弟子として慕ってきた。このブログでは私が松尾女流初段に憎まれ口をたたいているけれど、本心はそうである。ファンランキングも圏外ではあるけれど、そうなのである。
松尾女流初段との指導対局が平手に変わってからは、最初の9局は私の6勝3敗だったが、その後は1勝5敗という惨憺たる成績で、おかしい…とつぶやいたのを聞き咎められ、松尾女流初段に「一公さんには絶対に負けない!」と宣言されてしまったのは、以前も記したとおりである。
指導対局開始。☗2六歩☖3四歩☗7六歩。このとき後手の松尾女流初段は、☖4四歩と指しそうな気配があったような気もしたのだが、はっきりとは覚えていない。別の日の指導対局だったかもしれない。ともあれ当然の☖5四歩である。
以下ゴキゲン中飛車に、私は中央を厚くする作戦に出たが、その前にするすると☖4五銀と進出され、☖5七歩成~☖5六歩を利かされては、早くも指しづらくなった。
さらにその4手後、☖3七歩と垂らすと思いきや、ひとつ控えて打った☖3六歩がなかなか味わい深い一手で、私は苦慮することになる。そして☗6八金上☖3三桂と跳ねたのが、冒頭の局面である。
ここで大盤解説に入った。この数日前に行われた竜王戦6組・植山悦行七段対瀬川晶司四段戦を、植山七段の自戦解説するものである。ふだんは指導女流棋士の自戦解説だから、こういうケースはなかなかない。じっくりと勉強したいところだが、私は眼前の局面が気になって仕方がない。
私の手番だからちょっとケースが違うが、こちらが疑問手を指した直後に中原誠名人に手洗いに立たれたようなもので、この局面、こちらがどう指してもわるくなる。考えれば考えるほど、ダメなのだ。
途中、植山七段に大盤での次の一手を聞かれたが、とても解説を聞くどころではなく、軽く怒られてしまった。いやそれにしてもヒドイ局面だ…。
植山七段30分の熱弁が終わり、指導対局再開。しかし私には指す手がない。見つからない。まったくもって残念だが、私はここで投了した。
「エエーッ!!??」
と絶叫する松尾女流初段。アンタここで投了するほど、先の先まで読んだんですか? ここで終了するほど、将棋はカンタンなものではありませんよ。指導対局をナメてませんか? など、松尾女流初段には言いたいことが山ほどあったに違いない。しかし私の棋力では、もう1手も指せなかった。
総手数38手。これは2年前の10月、船戸陽子女流二段戦(香落)で記録した45手を更新する最短手数であった。
このあと松尾女流初段は指導対局で、優勢な将棋を互角にされたりして、
「ほら一公さん、投了しなければこうなることもあるんですよ」
と諭してくれたが、私が戦意喪失してしまったのだからしようがない。相手を諦めさせるのも実力のうちである。つまりは私がに平手で指導を受ける資格がなかったということだ。
このあとの食事会では、松尾女流初段に昼担当の大庭美樹女流初段、LPSAスタッフもお越しになり、私たちとは別のテーブルで、打ち合わせを兼ねた食事をしていた。
それが一段落した数十分後、松尾女流初段が私の向かい側にすわり、舞い上がってしまった私は、「マッカラン」の約束をすることになる。
ここでその約束を再確認しておくと、倉敷藤花戦ベスト4進出なら、松尾女流初段にサントリーのマッカランを贈呈。ただし後日補足があって、次の甲斐智美女王戦に勝てば、まだベスト16ながら、特例として10年モノのマッカランを差し上げることにした。甲斐女王との一戦がいつだかは分からぬが、ゼヒガンバッテほしい。10年モノならば、こちらもまだ大丈夫である。
コメント (4)
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