まつかぜ日記

暮らしの中で思うこと

茶碗を繕う

2011年09月02日 | 好きなもの
見込みに瓢箪が一つ描かれているご飯茶碗です。
気に入って、使っていましたが
今年の春ごろ、フチが欠けていることに気がつきました。
いつ、そうなってしまったのか。まったく覚えがないのですが。。。

欠けも小さいし、パテか何かでちょっと補修してしまおうと考えました。

入梅前のこと・・・

どんな材料がいいのか?
私でも扱えそうなものはあるのか?
その辺りに詳しいB&Sの店長さんに相談にのってもらい…等などしているうちに
そういえば以前、木のお椀のフチを塗った漆があった事を思い出し…
まずは、ソレを使ってみることにしました。

*お椀を繕う話⇒

補修前



マニキュアタイプのさらっとした漆を楊枝の先にとって、欠けた部分に薄く塗ります。
翌日、様子をみてみると漆色の細い線がくっきりと現れました。(↑トップの写真)
茶碗のフチが欠けただけでなく、数センチ下までヒビが入っていたわけです。
このヒビを筆でなぞるのは至難のわざ。漆がうまく伝ってくれて良かったです。

漆が乾くと痩せてしまうので、何度も塗っては乾かして厚みをだします。が、
同じ作業を繰り返すうちに、だんだん大胆になって~
のせる漆の量が少しづつ多くなって・苦笑
さらに完全に乾く前に重ねてしまったのでしょうか、
漆の表面が縮れてボコボコに・涙

表面をサンドペーパーで落とせばよいのでしょうが
何だか上手くいきそうな気がしない!
そうして一ヶ月半ほど放置。
しばし、頭から“チリチリに乾いた漆の図”を追い出して過ごしましたー。

そんなある日、布とお茶を巡る旅のhuiziさんが
金継ぎの教室の様子を書かれて。
ナイフで削る…という大きなヒントをいただきました!

huiziさん、本当にいつもありがとうございます!!

さっそく、先の細いカッターでボコボコを削ってみると
まあまあ・・・いい感じ♪
最後にもう一度、うすーく漆を塗って仕上げました。



ついでに、蕎麦ちょこのフチも補修。
こちらは、うわぐすりのガラス質が薄っすら剥がれ落ちた程の欠けでしたので
漆は一度だけ塗って終了。



二つある蕎麦ちょこのうち、欠けていない方には
もともと黒い丸が一つあり(↓写真手前)
こうして並べて見れば、それなりに自然な感じ。かナ・・・苦笑



おかげさまで、この夏の繕いは無事終了いたしました。感謝。