まつかぜ日記

暮らしの中で思うこと

お椀を繕う

2009年05月11日 | 好きなもの
毎日使っているお椀。

底には材料の名前が印されていて、拭き漆仕上げ。
木目を楽しめるところが良くて求めました。
写真、奥がクルミの材で手前がブナです。
使いはじめた頃は、木目は異なるものの
色は殆ど同じでしたが、いつの間にか夫々がそれぞれに深みを増しています。

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少し話はそれますが・・・
奈良井宿を尋ねた時に、『塗元』のご主人にお椀の木どりについて伺いました。

正目がきれいに見えるように木どりした椀は歪みがおき難いが(どちらかというと)割れやすく。
正目ではなく、年輪が丸く見えるような木どりのものは多少歪んでも衝撃に強い。と。

うちのお椀は後者の木目。そそっかしい私には丈夫なのが一番!
ふさわしいお椀を選んでいたことが嬉しかったのを覚えています・笑

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しかしながら
ずぼらな扱いには、それなりの結果が表れて。
とてもお恥ずかしい話ですが、お椀の淵の塗りが磨り減り剥がれて、木地が見えた状態に。
深く反省するものの、元には戻らず。。。
どうしたものか?と思うばかりの日が続いておりました。

そんな中、出かけたテーブルウェア・フェスティバルで、
なんと!同じものを展示している会社を発見。
早速、事情を説明して修理をお願いできるか聞いてみた所。

難しい回答を頂きました。

・修理は部分的に漆を塗りなおす事はできない(色が均等でなくなってしまう為)
 ので 表面を削り取ってから塗りなおす。

・この作業は、手間のかかる仕事なので新品を買うのと同等の費用がかかる。

・思い出深く大切にされているお椀であるなら、修理も受けるが、
 生産者側の正直な気持ちとしては、新しいものを買って使って欲しい。

*この「生産者側の正直な気持ち」は、実は他の出展者の方からも聞いた言葉で。
「使う側」の私には、思いもよらない「現実」の言葉でした。


結局、お椀全体を削ってしまう、というのが
どうしても引っかかって、どこかに補修を依頼するのはやめて、
自分で、部分補修してみる事にしました。

こういう時は、とりあえずハ○ズへ行きます。
昔、小さなチューブに入ったとても高価な漆を見たことを思い出し
妙な決意をかためて向ったのですが
“漆担当”の方に初心者向けの、手軽なものを選んでいただきました♪
マニキュアタイプの容器で、キャップに付いている細い筆で漆を塗ります。
勿論、天然漆で食器に使っても安全です。

ハ○ズの“漆担当”の方に、繕いの手順、漆を乾かすムロの作り方などを丁寧に説明していただきました。感謝!

そして・・・
想像以上に手強いです 漆。 
色々注意してやってはみたものの、淵の際から流れた跡が~
メーカーの方が言っていた「どうしても色が違ってしまう」というの
よ~く解りました・苦笑

それでも、口当たりはツルッと柔らかく、満足しています。
次回、機会があればもう少しうまく繕える、ような気もあるのですけれど・笑
そんな事にならないように、大事に使っていかなくては!