まつかぜ日記

暮らしの中で思うこと

工房見学②*四月の沖縄

2006年05月08日 | 沖縄
ゆいレールの儀保駅を降りて
首里城公園とは反対方向の静かな住宅街をずんずんと入っていった所に
榮用窯・新垣陶器工場はありました。
こちらは「荒焼」と呼ばれる釉薬をかけない南蛮系の焼き物を製造されています。
那覇空港内・ウエルカムホールに置かれている一対の大きなシーサーはこちらの新垣榮用氏の作品です。

門を入ってすぐの売店でお話を伺うと、この首里の窯ではシーサー作りを中心とされていて、甕や杯などの器の類は読谷の工房で製作されているとの事。ちょっと残念でしたが、勿論こちらの売店でも大小様々な器を見ることはできます。


奥の作業場ではシーサーを作っていました。
まず大まかな形を石膏の型で作り、巻き毛(?)や耳などの小さなパーツは手で作り一つ一つ付け、歯や爪の部分をヘラで更に深く掘り出します。
強面のシーサーですが、耳が付いていないシーサーの姿は
職人さんの手元でシャンプーをしてもらったばかりの小さな動物みたい。力の抜けた可愛らしさでありました。(笑)
全長1m位までの物は石膏型を使うのだそうですが、それ以上の大きなシーサーは一から土を積み上げて作っていくのだそうです。
敷地の中にはそうして作られた何頭もの大きなシーサーが、思い思いの場所でくつろいでいる様子で座っていました。

この後、またまた訪ねた壷屋に於いても仁王窯の方に土の事、釉薬の事、意匠・技法についてお話を伺うことが出来ました。(お仕事の途中だったにもかかわらず、かなりのお時間を割いて頂いて恐縮しました。)
さらにずっと気になっていたお隣の常明製陶所にも案内していただいて、窯入れを待つ“エジプトもの”の大壷なども拝見させて頂きました。感激です!

モノ作りの現場に於いてもゆったりと穏やかな時間が流れている。
そんな沖縄を肌で感じた旅でした。