保存鉄道車両巡りの旅2

鉄道車両の静態保存車を紹介するブログです。

日本最北端の保存車とは?

2014-05-17 00:00:00 | 廃車体あれこれ

日本で一番北にある保存鉄道車両は何か?という問いがあったならば、答えは1つとは限りません。それは「保存車」の定義が曖昧だからです。
当ブログでは保存されていたり放置されている鉄道車両を紹介していますが、例外として「ダルマ貨車は紹介しない」という事にしています。ダルマ貨車とは主に国鉄末期に大量に余剰になった貨車が民間へ売却された物を指し、今でも全国に多数残っています。
平たく言えば「鉄道趣味の対象になるかどうか?」ということであり、私自身も厳密な線引きは出来ていません。下周りが無い有蓋車でも大切に保存していれば趣味の対象になることもありますし、下周りが残っていても捨てるように放置されているのであれば対象外になることもあります。何となくで線引きを感じて頂ければ幸いです。

(典型的なダルマ貨車。みなさんの近所にもあるのではないでしょうか。これをブログで紹介すると件数が多すぎて収拾がつかなくなるからという事情もあります。)

保存車趣味で対象になるもので言えば、日本最北端の車両は「豊富町JR豊富駅前のオエ61(北緯45度06分)」です(参考→ http://train.ap.teacup.com/osyakatravel/63.html)。

そこで前述した普段であれば趣味の対象外になる廃車体も含めれば最北の車両は何だろうか?と思い、探索してみました。
ちなみに過去に存在した保存車ではこれより北のものがありましたので参考までにご紹介します。
(1)稚内市開運 北防波堤ドーム C55-49(北緯45度25分)(1996年解体)
(2)浜頓別町頓別 キハ22-142(北緯45度07分)(2009年頃解体)

ダルマ貨車等の保存や放置の情報は無いものかと調べましたが有力な情報は得られず、手がかりの無いまま現地へ行きローラー作戦を行う事にしました。
捜索は自動車で行いました。運転しながらですので見落としがある可能性がありますが、稚内市内の野寒布岬~JR稚内駅の間、富士見地区、声問漁港周辺はかなり細い道まで捜索しましたが発見出来ませんでした。さらに国道238号線を稚内市街から宗谷岬を経由して浜頓別まで走りましたがこの沿線でも発見出来ませんでした。

よって、現在確認出来た分での最北端の保存・放置車はこれになります。

場所:稚内市抜海村上勇知 JR勇知駅(北緯45度15分)
車両:ヨ3500またはヨ5000(車号不明)

かつての車掌車が再利用された駅舎です。北海道では老朽化した木造駅舎の更新や無人化で発生した余剰スペースの解消のために、余剰となっていた車掌車を改造した駅舎が多数見られます。
この勇知駅もそんな駅の1つですが、2013~14年の間に外装にサイディングが張られもはや鉄道車両の面影はありません。
保存車の趣獅ゥらは外れる物件ですが、近年は「ダルマ駅」などと紹介され興味を持つ方も多いようです。

「最北端の車両を紹介する」と大見栄を切っておきながら情けない結果になりました。今後、勇知駅より北に置かれている車両があればそれが最北端の物件という事になります。しかし範囲が広すぎるため私だけで捜索することは不可能だと思います。もし情報をお持ちの方がいらっしゃればお知らせ頂ければありがたいです。

※冒頭から一切触れていませんが、択捉島および南樺太(サハリン)の保存車は対象外としています(私の政治的思想とは無関係です)。択捉島に保存車があるのかは分かりませんが、南樺太には存在します。下の画像はユジノサハリンスクのキハ58。