ホタルの独り言 Part 2

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乗鞍高原でスナアカネ発見

2020-08-22 18:46:11 | トンボ/アカネ属

 スナアカネ Sympetrum fonscolombei (Selys, 1840)は、トンボ科(Family Libellulidae)アカネ属(Genus Sympetrum)で、北アフリカ、中東、モンゴル、インドを含む南西アジア、および南部ヨーロッパ等に広く分布しており、日本国内では、台風等に乗って飛来する、いわゆる「飛来種」と言われている。本種は、2018年に愛媛県にてメスを同年に静岡県にてオスを撮影し「スナアカネ」として本ブログに掲載しているが、今回、長野県の乗鞍高原にある標高1,458mの「まいめの池」にてオスのスナアカネ1頭を確認し撮影した。この個体は、同行したS氏が最初に発見し、共に撮影している。

 台風がまだ一度も通過していないこの時期に、しかも沿岸ではなく中部山岳地帯の高原にスナアカネがいるというのは、何とも不思議である。偏西風に乗って大陸から飛んできたとは考えにくい。過去には、群馬県にて標高1,570m付近の高層湿原で雌が確認されており、また乗鞍高原ではここ数年、毎年7~8月に複数のスナアカネが目撃されているという。長野県での初記録は2015年のことで、数ヵ所で未熟個体を含む複数頭が確認されているとのこと。日本国内では、産卵も羽化も確認されている地域がある。もしかしたら松本市街の池で繁殖し、この時期はアキアカネのように山の上に飛んできていると考えることもできるが単なる推測の域を出ない。この個体は、どこからどのようにしてやってきたのか・・・謎は深まるばかりである。

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スナアカネ(乗鞍高原)の写真

スナアカネ(乗鞍高原)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/5000秒 ISO 2000(撮影地:長野県松本市/乗鞍高原 2020.8.22 9:19)

スナアカネ(乗鞍高原)の写真

スナアカネ(乗鞍高原)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/4000秒 ISO 2000(撮影地:長野県松本市/乗鞍高原 2020.8.22 9:19)

スナアカネ(乗鞍高原)の写真

スナアカネ(乗鞍高原)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/2500秒 ISO 2000(撮影地:長野県松本市/乗鞍高原 2020.8.22 9:17)

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