ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態や生息環境を研究し保全活動をしていますが、趣味で撮影した昆虫や日本の四季
自然風景の写真も紹介しています。

ホタルの幼虫上陸

2019-05-01 13:48:23 | ホタル

 ホタルの幼虫上陸の観察と撮影で山梨県へ。(尚、本文で記すホタルは、ゲンジボタルのことを言う。)
 今季のホタルの幼虫上陸の観察は3回目。まず、2011年4月9日に多くの幼虫が上陸する様子を観察している千葉県へ4月10日に訪れた。この日は、1日中本降りの雨であったが、 寒気の影響で東京の青梅や奥多摩では雪。千葉県では、夜の気温が10℃を下回り、護岸で発光する幼虫もいたが、水中から上陸する個体は1頭も見られなかった。次は、4月14日に今回と同じ山梨県の生息地を訪れた。ここは2011年4月23日において、少数ではあるが上陸を観察しており、昨年は4月15日の深夜に多くの幼虫の上陸を観察している。(ゲンジボタルの幼虫上陸)本年の14日は、19時の気温は13℃。しかし雨の降り出しが17時と遅く、しかも降っても小雨であったため、19時半に1頭が発光しながら上陸を開始したものの後が続くことはなかった。
 本年4月30日は、東京では前日の夜から雨。かなりまとまった雨であった。ホタルが生息する山梨県のA地区の天気も雨で、19時までは降り続く予報。GPV気象予報でも、20時までは雨雲がかかっていた。ようやくホタルの幼虫上陸が期待できる日がやってきた。
 雨の東京を16時半に出発。途中も雨であったが、最後の一山を超えると雨は止んでおり、現地では舗装道路の路面が乾いている状況。一日の降水量は27mmであるが、午前中で雨はあがってしまったらしい。川の大きな石も水上部分は乾いている。天気予報に裏切られ、愕然としたまま暗くなるまで待機することにした。

 ホタルの幼虫上陸の時期は、日本各地の生息地によって異なり、関東地方では3月中旬頃から5月上旬頃に行われるが、時期になればいつでも上陸するわけではなく、次の条件が合致しなければ上陸しない。

  • 日長時間が12~13時間以上であること。
  • 当日の気温が水温と同等かそれ以上(10℃以上)であること。
  • 初回は、降雨時であること。

 ホタルが生息する山梨県のA地区における今年の気象状況を見てみると(グラフ1.)3月中旬以降に雨が少ない。雨量が多い日は寒気の影響で気温も低くなっている。また、降っても午前中だけ。これは、ホタルの幼虫上陸を阻害する状況である。この異常気象は、ホタルの発生に大きな影響を与えるものと思われる。

雨量と平均気温のグラフ

グラフ1.山梨県A地区の雨量と平均気温(2019年3月~4月)

 30日19時半。ホタルの生息域のごく一部で発光する幼虫を発見。10頭ばかりが上陸を開始したが、水際で発光して上陸を止める個体も数頭いた。雨が降っていれば多くの幼虫が上陸したに違いない。
 以下に掲載した当日の写真は、85分に相当する多重で、発光しながら上陸した幼虫が光の筋として写っている。また、過去に撮影した同地区での写真、千葉県での写真も参考までに掲載した。

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

発光しながら上陸するゲンジボタルの幼虫の写真

発光しながら上陸するゲンジボタルの幼虫
光跡が細く小さいものは、幼虫の這う速度が速く、太く明るいものは、這う速度が遅く同じ場所で何度も発光していたことを表している。

Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / バルブ撮影 F1.4 30秒 ISO 2000 85分相当の多重(撮影地:山梨県 2019.4.30)

発光しながら上陸するゲンジボタルの幼虫の写真

発光しながら上陸するゲンジボタルの幼虫
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / バルブ撮影 F1.8 360秒 ISO 400(撮影地:山梨県 2011.4.23)

発光しながら上陸するゲンジボタルの幼虫の写真

発光しながら上陸するゲンジボタルの幼虫
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / バルブ撮影 F2.8 560秒 ISO 400(撮影地:千葉県 2011.4.09)

発光しながら上陸するゲンジボタルの幼虫の写真

発光しながら上陸するゲンジボタルの幼虫
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / バルブ撮影 F3.2 3秒 ISO 400(撮影地:千葉県 2011.4.09)

発光しながら上陸するゲンジボタルの幼虫の写真

発光しながら上陸するゲンジボタルの幼虫
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / バルブ撮影 F3.2 3秒 ISO 400(撮影地:千葉県 2011.4.09)

発光しながら上陸するゲンジボタルの幼虫の写真

発光しながら上陸するゲンジボタルの幼虫
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / バルブ撮影 F3.2 3秒 ISO 400(撮影地:千葉県 2011.4.09)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2019 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.


コメント   この記事についてブログを書く
« 平成最後の富士 | トップ | 信州にて天の川 »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

ホタル」カテゴリの最新記事