幻の詩集 『あまたのおろち』 by 紫源二

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 夜

2013-06-05 00:37:40 | Weblog

 
 
  夜、涼しい夜
 
  あなたは今、なにをしているのだろう
 
  ぼくだって、自分で思う
 
  ぼくは、いったい、なにをしているのだろうって
 
  あなたは今、ぼくがあなたのことを想っているように、ぼくのことを想っているのだろうか
 
  ぼくがあなたの姿形をイメージしているように、ぼくの姿形をイメージしているのだろうか
 
  あなたの目
 
  あなたの脚
 
  あなたの唇
 
  あなたの胸
 
  あなたの舌
 
  あなたはぼくのどこを想い浮かべているのだろう
 
  あなたがぼくに自分のことを話してくれたとき
 
  ぼくはあなたの身体を見つめていた
 
  仔細に、詳しく、今、想い出している
 
  あなたの目
 
  あなたの肩
 
  あなたの脚
 
  ぼくはあなたの記憶を見つめる
 
  夜なのに
 
  眠れず
 
  あなたが目の中にいる
 
  ぼくの身体の中にいる
 
  あなたの声は
 
  ぼくの身体に流れる
 
  熱い血
 
  心臓の鼓動
 
  あなたの言葉は
 
  ぼくの身体の中に流れ
 
  ぼくの身体は熱く
 
  あなたを想い
 
  眠れずにいる
 
  夜