幻の詩集 『あまたのおろち』 by 紫源二

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 心臓に突き刺さった矢

2013-06-27 01:04:37 | Weblog

 
 
  魅力的なあなたが放った 存在という矢が ぼくの心臓に突き刺さった
 
  血しぶきを撒き散らしながら ぼくは あなたのもとに走った
 
  どうしたの? その心臓 とあなたは言った
 
  きみがこうしたんだよ とぼくは言った
 
  あなたがぼくの心臓から 矢を引き抜こうとしたしたとき ぼくは言った
 
  どうかそのままにしておいてくれ!
 
  どうかそのままに
 
  たとえぼくが死んでしまおうとも
 
  あなたは言った どうしよう 死んじゃう
 
  ぼくは自分の破けた心臓をあなたに見せつけながら
 
  あなたを強く抱いた
 
  苦しい とあなたは言うけど ぼくはもっと苦しい
 
  だから もっと強く抱き締めさせてくれ
 
  もっともっと強く
 
  息もできないくらい強く
 
  この破れたハートで あなたの存在のすべてを
 
  抱き締めさせてくれ