A,B,C,D
熱帯魚の水槽の泡が
水面に向かって上っていく
天上界に憧れる魂のように
千のフローレスダイヤの輝き
ブルーの光が反射しているトンネルを抜けると
僕の真っ赤な心臓は熱い
僕の意思とは無関係に
まだ鼓動をやめない
別の生き物のように
胸の中で暴れている
目と鼻と口がついたこの顔は
さながら悟性的感覚センサーの集積機だ
それでも、ただ見て聴いて味わうだけでは
それが何か、すべてを知ることはできない
ハートの命じるまま
(それがなにか知らなくても)
触れて感じなければならない
この全身で
目に見えず、耳に聞こえず、舌で味わえず、鼻で嗅げない神聖なる神秘
宇宙の被造物にして、この世でもっとも美しい生命
息をし、
僕も息をし、
彼女の息を僕の息で吸い込む
ハートは鼓動し、ついに耐えきれず
破れ
感情が見えない血しぶきとなって
飛び散っていく
満天の星空の
宇宙の一部として
満月の夜