幻の詩集 『あまたのおろち』 by 紫源二

幻の現在詩人 紫源二 の リアルタイム・ネット・ポエトリー

 古里は火星

2008-05-26 23:49:45 | Weblog


 ねえ、もう、臨界点に達して、後戻りできないそうだよ
 
 カエルは茹ってもうすぐ死ぬだろう
 
 まだ気付かない人もいるらしいが
 
 ぼくはこんなにも具合が悪い
 
 それなのに、フォトンの影響だろうか
 
 太陽光線がやたら明るく感じるのはなぜだろうか
 
 
 きみといつか焼き鳥屋でも飲みにいきたいな
 
 そこで故郷の星の話をしようよ
 
 もうわれわれは忘れ去られていて
 
 誰も迎えに来ないかもしれないけど
 
 遠い昔、ぼくは火星にいたような気がするし
 
 たぶんきみもそうにちがいないと思う

 
 この世の母も父も
 
 自分の故郷の本当の母とも父と違うような気がしていた
 
 幼い頃 そんなことを思った
 

 いつか、迎えにくるような気がした
 
 それを待っていたんだけど
 
 なんか忘れられているみたいだ
 
 でもきみと出合えるから嬉しい
 
 きっとこんなぼくの気持をわかってくれるような気がして
 
 
 郷愁は癒されない永遠の片思い