先日の、『 NHKクローズアップ現代 』、
「 見つめて 触れて 語りかけて 」
という番組でした。
私にとっては衝撃的でした。
「 ユマニチュード 」 というのは
『 人として接する 』 というような意味です。
そこは介護の現場でした。
寝たきりの方の口の中のメンテナスということで、
白い大きいエプロンをつけ、
顔には大きな透明のマスクと
眼にはゴーグルのようなものをつけ、
手には長いゴム手袋といういでたち、
( こんな姿見たら誰だってゾッとします )
いざ、お口を清潔にと、二人が両脇を押さえて、
もう一人の方が口に消毒の綿棒の大きなものを
入れようとするのですが、
それは、される方も嫌がって、
大変なことになってしまいました。
「 ユマニチュード 」 を提唱されている
フランスの 『 イブ・ジネスト先生 』 、
まず部屋に入られるとき、必ずノックされます。
そして、相手の眼をじっと見て、
それも同じ目線で、( かかんで )
オーバーとも思えるほどの笑顔、
そして、優しく語りかけていかれます。
それから、静かに両手で相手の手を持ち
( 手をつかむというのは絶対にいけないこと )
体に触って、相手の良いところを褒めていかれます。
すると、今まで嫌がっていた口のお掃除も
自分から口をあけ、
「 すっきりした 」 と笑顔が見えました。
それから、体を抱きかかえるように
介助して立たせるのです。
何年も笑ったことのないという方が
笑顔で支えてもらいながらも、
一歩ずつ歩きはじめられたのです。
その時思ったのですが、
仏教の修行で 「 六波羅蜜 」 ということがあり、
その第一が布施の行です。
その中に、
「 無財の七施 」 ということがあって、
( お金も何もなくても人に施すことができる )
その第一番目が、
「 眼施 」 目の施しです。優しいまなざし、
そして、 「 和顔悦色施 」 笑顔ですね、
「 言辞施 」 言葉のお布施です。優しく語りかけ、
そこで意思疎通ができたら、
初めて体に触るということです。
それが 「 身施 」 身をもって相手のためになる
ように身を捧げる、ということです。
ということがあるのですが、
このフランスの 『 イブ・ジネスト 』 という先生は
まさにそのことを実践されているように感じました。
やはり、認知症が進んでくると、
その方に対して、 「 人として接する 」 という
ことが難しくなってくるようで、
するべきことを段取りよくしてしまう、
ということが先になってしまうようです。
という、私も身近なところで、
「 あやちゃん 」 が認知症になっているようで、
食べた後から、また欲しいといって
泣いてきます。
ほんとうに 「 老老介護 」 になりそうな ??
泣き方も大変で、
吠えるように泣きます。
口も臭くなってくるし、 … そうなると、
だんだんと抱っこする回数も少なくなってきます。
唯一、触れ合う時は、掃除のとき、
掃除機が好きになり、始めると
掃除機のそばを離れません。
耳も遠くなったので、掃除機の音が気にならなくなったのでしょう。
掃除機のブラシで吸ってやると、
とても気持ちがいいようです。
また、このテレビを見てから、というのも
あやちゃんも猫として認めてほしい
と思っているのでしょう。
そこで、再度
病院にも連れて行き、薬ももらい、
もっと触れ合う機会を多くしたのです。
「 ユマニチュード 」 です。
「 猫として接する 」
聞こえなくても、目を見て、話しかけ、
ブラッシングも毎日して、 …
薬のおかげもあったのか、
最近では、遠吠えも少なくなってきました。
少し落ち着いてきたような、
これから、私もされる側かもしれません ??
また、する方になるかも ?
「 ユマニチュード 」 このことも忘れず、
人と接するということは、
モノではないのですから、
心をもって接していかなければ と
つくづく思い知らされました。