今週の言葉 ３/２２～３/２８ 『 よく見れば … 』

　　　よく見れば

　　　　　　なずな　花さく

　　　　　　　　　　　垣根かな

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　松尾芭蕉



　とても有名は俳句です。

若いときはあまりピンときませんでしたが、最近はこういうことがとても気になります。

　『　辻邦生　』　氏の文章に出会いました。

　　人間はこの世に生きている。

　　ところが、生きているという事実があまり自明なために、

　　〈　生きている　〉　ことに気がつかない。

　　ごく希に、重病からやっと快復したときとか、

　　危険から生還したときとかに、

　　〈　生きている　〉　という単純な事実にぶつかり、

　　ハッとする。

　　〈　生きている　〉　ことは何と新鮮であるか、

　　何とすばらしいか、と思う。


　　　しかしもし人が快復した重病人のように、

　　〈　生きている　〉　ことを、

　　　じっと見つめたら、

　　　それは何とも奇蹟に満ちた、歓喜の世界に見えないだろうか。

　　　空が青いことも、

　　　雲が流れることも、

　　　風が吹くことも、

　　　鳥が飛ぶことも、

　　　花が咲くことも、

　　　不思議で不思議でたまらないものに見えるのではないだろうか。

　　　芭蕉が　「　よく見れば　なずな花咲く垣根かな　」　と吟じた驚き　！

　　　それはこうした　〈　生きている　〉　ことの奇蹟のような有難さに、

　　　はっと目を見開いた瞬間の

　　　心持ではなかったろうか。


　　　　日本語においては　「　有り難し　」　という言葉があります。

　　　〈　生きている　〉　ことを自明な事実ではなく、

　　　文字どおり　「　有ること　」　の難しいと考えることです。

　　　しかし、そう考えることができるとき、

　　　そこに、〈　生きている　〉　ことが有り難いこととして、

　　　感謝に価する恩寵的な事柄として、

　　　不意に、
　
　　　閃光のように貫くことがあると思うのです。


　と続くのですが、　少し長くなりました。

春はいたるところで、いのちの輝きに出会う瞬間があると思います。

『　よく見れば　』　です。

　いろいろないのち姿に出会うとき、新たな発見があると思います。

　　　　

歩き遍路

　お彼岸ということもあるのでしょうか、

また、連休ということもあるのでしょう。

『　九州八十八ヶ所巡礼　』　の方がお見えになります。

山口からご夫婦でお参りに見えられる方、

若い青年、仕事の休みを見つけて、お参りしてる方。



　　　



　この方は　『　歩き遍路　』　です。

植木の方からこられました。

「　昨日は雨の中を歩かれたんですか　？　」

「　そうです！　」

「　今日はこれから八代まで歩きます。」　　

　お接待に、作りたての　『　牡丹餅　』　を差し上げました。

なにせ、歩き遍路となると一日五食は欲しくなるのです。

そして、甘いものは何よりのご馳走です。


　お彼岸の連休、遊びに行くわけでもなく、

こういう、自分を磨くという時間に当てられるということは、

とても素晴らしいことだと思います。


　　　　満願成就をお祈りいたしております。　　　

お彼岸の準備

　　　昨日とはうって変わって、素晴らしい天気になりました。　

昨夜は　　　　　　　どうなることやら

心配しましたが、今日は雲ひとつない青空が広がっています。



　「　お彼岸の中日　」　裏方さんが一番大変な大忙しの一日です。

『　ちらし寿司　』　『　お煮しめ　』　『　護摩豆腐　』　などなど




　　　　　



　全部手作りですので、本蔵院自慢の精進料理です。

坊守さんの陣頭指揮のもと手際よくつくられていきます。




　　　　　



　とても美味しいお料理ができ上がりっています。


　どうぞお楽しみにお参り下さい。