喜多院法興寺

住職のひとりごと

中国は各国に授賞式欠席を呼び掛け5カ国同調

2010-11-20 08:41:22 | Weblog
11月20日付 編集手帳 読売新聞
2010年11月20日(土)01:15
 {〈秋風やひとさし指は誰の墓〉は寺山修司の句である。天に向けてひとさし指を立てて「この指とまれ」、遊び仲間を募った子供の頃を思い出す人もあろう。
◆秋風ならぬ木枯らしのなかで、中国政府が「この指とまれ」と指を立てた。12月10日に開かれるノーベル平和賞の授賞式典に出席しないよう、各国のノルウェー駐在大使にもとめている。
◆民主活動家、劉暁波氏の受賞が面白くないのなら、自分だけが欠席すればいいものを、徒党を組むとは奇妙な国である。ロシアやキューバなど5か国が“指”にとまって欠席するといい、日米など36か国が出席、16か国が態度を保留している。
◆司馬遷の『史記』に、皇帝をしのぐ秦の権力者・ 趙高 ( ちょうこう ) が皇帝に「馬です」と言って鹿を献上した話がある。他の重臣たちは彼の権勢を恐れて「そう、馬です」と、おもねった。中国政府も故事にならい、経済大国の権勢にどのくらいの国々がひれ伏し、横車に付き合うか、指1本で確かめようとしているらしい。
◆服役中の劉氏本人だけでなく、家族も中国当局に監視されて式典に出られないとか。ひとさし指は「人権」の墓だろう。}

中国はあからさまに各国に授賞式欠席を呼び掛けた。中国に同調した国は、ロシア、イラク、キューバ、カザフスタン、モロッコの5カ国が出席辞退の意向を表明した。中国は劉暁波氏を行かせないだけで飽きたらず、他の国に圧力をかけて、出席を辞退させたことは、許し難い暴挙である。