喜多院法興寺

住職のひとりごと

猫の水の飲み方解明、器用に水柱を作り飲む

2010-11-13 06:37:14 | Weblog
11月13日付 編集手帳 読売新聞
 {斎藤茂吉に猫の舌を詠んだ歌がある。〈猫の舌のうすらに 紅 ( あか ) き手ざはりのこの悲しさを知りそめにけり〉
◆手触りではないが、子供の頃、家に出入りしていた野良猫に毎朝のように眠っている 睫毛 ( まつげ ) をなめられ、「早く起きろ」と催促された経験があるので、歌人の言ったどこか悲しい感触はよく分かる。その舌がミルクや水を飲むときには独特の巧妙な動きをするとは、記事を読んで“知りそめにけり”である。
◆猫の飲み方を米マサチューセッツ工科大学などの研究チームが解明し、科学誌『サイエンス』電子版に発表した。
◆犬は舌をひしゃくのように曲げ、水をすくって飲む。猫の場合は複雑で、丸めた舌先を水面から素早く引き上げて水柱を作る。水柱が重力で崩れるまでの一瞬に、柱の上部をパクッと 噛 ( か ) み切るのだとか。生得の技とはいえ、じつに器用なものである。
◆それにつけても科学者の好奇心は範囲が広い。〈猫はみな笑えるのです〉とはルイス・キャロル『不思議の国のアリス』で公爵夫人が語る言葉である。わがネコ舌が権威ある科学誌にねえ…ニッコリ顔の猫がどこかの路地裏にいるかも知れない。}

 今まで舌ですくい取ると思っていたが、舌先を手前側にJの字形に丸めて水面に浸した後、素早く引き上げて細い水柱を作り、タイミング良く口を閉じて飲むことが分かった。
猫だけでなく、トラやライオン、ジャガーなどネコ科は皆この飲み方だという。