喜多院法興寺

住職のひとりごと

泣く子も黙る“特捜神話”は死んだ。

2010-10-02 09:38:08 | Weblog
10月2日付 編集手帳 読売新聞
 {パソコンに「常識力検定を導入し…」と入力したつもりが、画面に現れたのは「上司気力検定を導入し…」。何年か前、日本漢字能力検定協会が募った漢字の誤変換コンテストで優秀賞を受けた作品である。
◆実際にあった変換ミスか、どなたかの創作か、味わい深い変換だろう。どういう職種であれ、組織として常識の存否が疑われるときは、率いる上司の気力が腐っている場合が少なくない。
◆大阪地検特捜部の「上司」二人もそうだったらしい。郵便不正事件の捜査をめぐり、当時の部長(57)と副部長(49)が犯人隠避の疑いで最高検に逮捕された。
◆証拠品を 改竄 ( かいざん ) したとしてすでに逮捕されている主任検事(43)から不正工作について報告を受けながら、調査をせず、改竄を 隠蔽 ( いんぺい ) した疑いがもたれている。「正義」を奉じ、「巨悪」と対決する気力はどこに消えた? 功名を焦った一検事の暴走から組織ぐるみの腐敗へ、事件の様相は一変したことになる。泣く子も黙る“特捜神話”は死んだ。
◆おそらくは優秀な成績で司法試験に合格した人たちだろう。「常識力」と「上司気力」の検定があったならば、零点である。}

 本来、特捜とは正義の御旗のもとに、権限が与えられて巨悪の根源を根絶する、スパーヒローだった。功名を焦った、主任検事が証拠のFDを改竄した。その事を知りながら、地検特捜部の「上司」二人が隠蔽した。組織ぐるみの腐敗で、特捜の存続が危ぶまれる。