喜多院法興寺

住職のひとりごと

USENが横浜買収に名乗り

2005-10-15 09:00:19 | Weblog
 楽天の三木谷社長は15%以上のTBS株を取得し統合を迫る中、横浜ベイスターズの買収にUSENが乗り出している。楽天とTBSの統合問題で、両社が保有する球団の行方が注目を集める中、村上世彰氏(46)も、TBSに対して、横浜を売却するよう提案していたことを明らかにした。

(スポーツニッポン)
 TBSが保有する横浜ベイスターズの買収にUSENが乗り出していることが14日、明らかになった。13日に楽天がTBSの筆頭株主となり、1企業が複数球団の株式を所有することを禁じる野球協約に抵触する恐れが出ていたが、横浜売却の場合はUSENが最有力候補となる。この日、TBS株式の7・45%を保有していることが判明した村上ファンドを率いる村上世彰氏(46)も、TBSに対して、横浜を売却するよう提案していたことを明らかにした。

 楽天とTBSの統合問題で、両社が保有する球団の行方が注目を集める中、USENが横浜買収に名乗りを上げた。

 この日、USEN広報部は横浜買収の可能性について「イエスともノーとも言えない。プロ野球は魅力的なコンテンツだが、それが(買収に)結びつくかは別の話」と慎重に対応。しかし、すでに同社の宇野康秀社長(42)が村上氏と楽天の三木谷社長に対して、横浜買収に乗り出すことを伝えているという情報がある。

 前日、TBSの筆頭株主となった楽天の三木谷社長も「1企業が複数球団のオーナーシップを持っているのはあまり好ましくない」と野球協約第183条に抵触する可能性を認識している。TBSと楽天の経営統合が実現すれば、楽天と横浜の合併か、いずれかの球団の売却を迫られるが、三木谷社長は楽天球団の経営継続には意欲的。今後は筆頭株主としてTBS側にUSENへの売却を強く働きかけていくものとみられる。それを裏付けるように楽天関係者も「時価資産3000億から4000億の企業が(横浜を)買うのでは」と語っており、その企業がUSENというわけだ。

 また、この日、村上ファンドが関東財務局に提出した大量保有報告書で、今年9月末時点で同ファンドがTBS株式の7・45%を保有していることも判明。村上氏は「TBSには“球団を持っている必要はない”という話をした。横浜ベイスターズの親会社がTBSでいいと思っている人がいます?全くいないと思いますよ」とTBS側に横浜の売却を提案した事実を認めた。

 「放映権を10年、20年契約すればいいのであって、何でベイスターズを保有しなければいけないのか。テレビ事業のコンテンツを増やしていくのに百何十億とかいう金額をなんであそこに。それだけかけてどれだけのリターンを生んでるんですか。余計な資産ですよ」と村上氏は話した。

 横浜は01年11月、筆頭株主のマルハがニッポン放送に球団株を売却した際、同じフジサンケイグループのフジテレビがヤクルト、ニッポン放送が横浜の球団株を保有することが野球協約に抵触する可能性を指摘され、TBSが買い受けた。今季4年ぶりのAクラス入りも、観客動員数は100万人に届かず12球団で最低。今年も約15億円の赤字といわれている。

 今後、楽天と村上ファンドはTBSに対してUSENへの売却を要求していく方針で、現時点で球団売却の考えはないとしているTBS側も厳しい対応を迫られることになった。

 ▽株式会社USEN 61年6月創業。有線放送やカラオケ事業、光ファイバーによるブロードバンド事業などを展開。01年には楽天と合弁でネット映像配信を手がける「ショウタイム」を設立。04年9月には音楽業界大手のエイベックスと業務提携に合意。05年3月1日に有線ブロードバンドネットワークスから社名変更。資本金357億9764万1040円(05年2月末日現在)04年8月期連結決算では売上高約1219億円。本社は東京都千代田区。宇野康秀社長。

 ≪21日実行委員会で楽天が経緯報告≫楽天とTBSの経営統合が実現すれば、新たな球界再編問題に発展する可能性は極めて高い。楽天は21日の実行委員会で他球団に、これまでの経緯を報告するが、球団関係者は「経営統合した場合の選択肢は、楽天と横浜が合併するか、どちらかの球団を売却するかの2つに1つという話もする」と明言した。

 球界関係者からは、早くも複数球団の保有に反対の声が上がっている。ただ、昨年の新規参入から協約改正を強く訴えてきたのも楽天。実行委員会と11月4日に三木谷オーナーも出席するオーナー会議で、球団(横浜)との利害関係がないと認められ、今回の問題にも対応する協約に改正される方向でまとまれば、12球団で現状維持となる可能性も残されている。

 仮にどちらかの球団が売却される事態となれば、新たに参入する企業は11月30日までに日本プロ野球組織の承認を得なければならず、今後も予断を許さない状況は続く。

 ≪若林オーナー 球団継続保有を明言≫横浜の若林オーナーは球団を継続保有する姿勢をあらためて示した。球団売却の可能性について「私たちは今までと何も変わりません」と完全否定。峰岸球団社長もヤクルト戦の試合前、神宮で選手に事情説明を行い「“球団を手放すつもりはない。時間はかかるけど心配しないで”と伝えました」と話した。