喜多院法興寺

住職のひとりごと

クローン技術によるES細胞作製

2005-08-24 04:51:25 | Weblog
 現在の臓器移植は、他人の臓器提供により行われ、移植希望者に対し提供臓器の数も極めて少ない。日本での移植で一番多く行われているのは腎臓移植です。たまたま、適合した臓器であっても、他人の臓器、必ず拒絶反応が起きてしまいます。
 今回、自分の細胞にES細胞を融合させ、新しい細胞を作ることに成功したことは、移植を待つ患者にとって、希望の光となる出来事だと思います。

朝日新聞
 さまざまな組織になりうる胚(はい)性幹細胞(ES細胞)と、皮膚細胞を融合させることで、ES細胞と同じ能力を持つ新しい細胞をつくることに、米ハーバード大の研究チームが成功した。この方法で患者自身の細胞を使えば、新たに受精卵を壊さなくても、拒絶反応を起こさないような臓器や組織を再生し、移植できるようになる可能性がある。

 26日付の米科学誌サイエンスに論文が掲載される予定だったが、米メディアの注目を集めたため、同誌は急きょ論文をメディアに公表した。

 研究チームは、ES細胞と皮膚細胞を融合させて細胞をつくり、神経や筋肉、消化管などの細胞に分化することを確認した。

 この融合細胞は皮膚細胞とES細胞の両方の遺伝情報を持つ。ES細胞側の遺伝情報を取り除くことができれば、拒絶反応を起こさないようにできる可能性があり、患者への移植に利用できるかもしれないと研究チームは期待している。

 通常のES細胞は、受精卵を壊してつくる必要があり、患者に移植できるようにするためには、クローン胚を使う必要があった。このクローン胚を子宮に移植すればクローン人間につながることから、倫理面での課題があり、欧米を中心に慎重論がある。韓国では今年、患者の皮膚の細胞を使って、ES細胞をつくることに成功している。