喜多院法興寺

住職のひとりごと

植物開花の決め手の遺伝子を発見

2005-08-12 07:31:14 | Weblog
 今や日本は経済大国といわれ、物が有り余って、豊かすぎることが当たり前になっています。そのために物に感謝しあいがたいと思う気持ち「こころ」が薄れがちです。そうしたことが心の荒廃にもつながって、些細なことでいがみ合い争うなどとげとげしいニュースばかりです。自分の事しか考えない、他人を思いやる気持ちが欠けてきています。花を愛でる気持ちの余裕が必要ではないでしょうか。
今回、植物の開花をコントロールする方法が発見されたとのニュースを紹介したいと思います。

(毎日新聞)
 植物が花を咲かせる時に働くとされ、長年謎だった「花成ホルモン」とみられる遺伝子を、京都大大学院理学研究科の荒木崇助教授(分子遺伝学)らが世界で初めて発見した。この遺伝子で野菜や果樹の開花をコントロールできれば、需要に応じて花や実を付けさせるなど生産性向上につながる可能性がある。12日付の米科学誌「サイエンス」で発表する。
 イネや小麦、アサガオなど多くの植物は、日照時間を葉で感じ、葉の中で作られる「花成ホルモン」が働いて特定の季節に花が咲くと考えられてきた。1937年提唱の古い学説だが、ホルモンの実体は不明だった。
 荒木助教授らは99年、シロイヌナズナ(アブラナ科)を使った実験で、「FT」という遺伝子の働きを高めると極端に早咲きになり、壊すと逆に開花が遅れることを確認。さらに今回、「FT」遺伝子が葉の中でたんぱく質を作る▽たんぱく質が芽に移動して別のたんぱく質「FD」に結合▽結合したたんぱく質が花芽を作る遺伝子のスイッチを入れて花が咲く――という仕組みを解明。「FT」遺伝子が作るたんぱく質が謎のホルモンである可能性が極めて高いことを示した。
 荒木助教授は「同種のたんぱく質はイネでも確認し、他の植物にも共通するとみられる。照明や冷暖房を使わず、植物の開花をコントロールする方法の開発につながる」と話している。【奥野敦史】